野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

碧水ホールのガムラン作曲ワークショップ5年目

2003年に第1回の「野村誠の世界」でやって以来、毎年、ワークショップでガムランの曲を作ってきました。

2003年の「スケ子っ!!!」は、しょうぎ作曲で作った部分と演劇ワークショップの手法で作った部分が混在する第1作。今から考えると、古典。

2004年の「だいんだいん」は、大きな飛躍のあった作品で、この作品については、フィルムアート社のプラクティカに原稿を書きました。今から思い返しても、かなりの力作。

2005年の「さるう」では、床で演奏するガムランが、机の上で立奏で演奏されたり、キャスターの上に楽器のパーツがのったりしました。

2006年の「青ダルマどん」は、楽器の並べ方が作曲の70%を占めたような作品。並んでいる順番に演奏したり、四角に囲われた楽器を回転しながら順に演奏したり。

過去4年間のワークショップを通して、マルガサリと「桃太郎」で探求してきたことでやれないようなこと、ガムランの初心者だからこそできる音楽のやり方を、数多く発見してきました。

最初の年は、ワークショップ参加者が5人程度でした。2年目に10人を越えて、少しずつ増えてきました。今年は20人を越えて、過去最高の申し込みです。滋賀県の水口という場所で、ガムランの創作ワークショップの参加者が年々増えていることに手ごたえを感じます。今年、新メンバーも多いです。そして、新メンバーがなかなかいい感じ。

今日やったこと。

林加奈ちゃんの紙芝居パフォーマンス
野村誠のピアノ即興演奏
③昨年の「青ダルマどん」の映像を見る
④楽器を破損しないために、どの楽器にどのばちを使うかの説明
⑤「青ダルマどん」の中のルール、「どん」と「ゆ」による演奏
⑥オカリナを持参したTくんをリーダーにして、オカリナとガムランのコール&レスポンス
⑦佐久間新さんのジャワ舞踊
中川真さんのたまご大王パフォーマンス
⑨歌を作詞・作曲
⑩佐久間さんによる舞踊ワークショップ
⑪各自の名前紹介

⑤を昨年は加奈ちゃんやぼくがリーダーになって合図の掛け声を送っていたのを、ワークショップ参加者の人にやってもらった。また、ぼくや加奈ちゃんが演奏から抜けてみた。参加者だけでやると、またまた違った味わいが出てくる。子どもがリーダーをやるのも、味わいがある。

⑥のオカリナの真似は、提示されるフレーズがすごく複雑なので、それを全員で一斉に模倣しようとすると、そうとう面白い響きになりました。

⑨は、「あじの追求」というお菓子があったことがきっかけに、「うたの追求」というタイトルに。駄洒落ではありませんが、「菓子」が「歌詞」になりました。

1番が、
歌の追求、チャリラグ、きゅーきゅー、ゆるゆる、もっとゆるゆる
2番が、
味の追求、チャリラサ、カタカタ、よわよわ、もっとよわよわ
3番が、
踊りの追求、チャリタリ、くねくね、ブシュブシュ、もっとブシュブシュ

各自がスレンドロ音階で音程を考えて、メロディーができました。

1日目にして、成果がいっぱいです。明日はもっと色々できそう。

本番は9月16日。