野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

鍵盤ハーモニカ・オーケストラ「P−ブロッ」の練習

鍵盤ハーモニカ・オーケストラ「P−ブロッ」の練習。19日に青山ブックセンターでの書店ライブに向けて。7月2日の「ASOなみなみ」での演奏は、勢いだけで荒い演奏だったので、もっと丁寧に音作りをしないと、アンサンブルが雑でつまらなくなってしまうかもしれません。今日は、丁寧に練習しようと思っていました。

ということで、ちゃんと練習したいと、まずは、平石博一作曲の「Up To Date Ⅱ」。ミニマル風の作品で、けっこう演奏が大変なのですが、ただ機械的に演奏していても芸がありません。今回は、パートを大幅に入れ替えて、みんな初めてのパートをやり、いろいろ演奏に遊びを入れていきました。面白くなってきました。

それから、しばてつ作曲の「Binaire」。この曲は、CDにも収録し、ライブでも何度もやっています。ある意味、演奏に新鮮味が減ってきている曲とも言えます。そんなことではいけないので、新鮮にもう一度初心に帰って、演奏を作り上げることにしました。途中のアドリブの部分が、もっと自由になったりして、やりとりが色々出てきて、いい感じ。

林加奈作曲の「犬が行く」も定番なので、パートを入れ替えてみました。これも新鮮。

さらに、野村誠作曲の「FとI」も全面的にパートを入れ替え。まったく違った曲に聞こえてきます。よく知っている曲ですが、初めて演奏する感覚で、もう一度、譜面からどんな音楽かを解釈していきたいな。

徳島県立近代美術館で昨年初演した野村誠作曲の「生き生きとした白」は、東京では今回が初演になります。ぜひお見逃しなく。

ということで、曲目が出揃った感じです。当日は、本屋さんなので、本を朗読しながらの演奏も、何かできないか、考え中です。

それにしても、P−ブロッは10周年です。9月2日の10周年記念ライブに向けて、今日は過去10年分の譜面を全部持ってきていました。NHKハイビジョンで1週間出演したときの「ハイビジョンときめきワイド」の主題曲も久しぶりに演奏してみました。懐かしいなぁ。

これは演奏予定はありませんが、江村夏樹さんの「インベンション」(1996)、「時差のあそび」(1999)なども、ちょっと音を出してみました。

今度の練習では、ジョン・ケージ弦楽四重奏から「クアドリベ」、チャイコフスキーの「白鳥の湖」のしばてつアレンジ、鍵ハモミュージカル「でみこの一生」の序曲なども練習しようと思っています。

それにしても、P−ブロッは楽しいです。11月末から12月上旬にかけて、イギリスにツアーをするのですが、まだ、ほとんどの日程が白紙です。パブでも、ギャラリーでも、大学でも、ホームパーティーでも、学校でも、演奏したいと思っています。今日のリハーサルでやる気になったぼくは、イギリスの友人8人ほどに、ツアーのスケジュールのことでメールを打ちました。読者の皆さんも、イギリスでお薦めあれば、教えてください。

9月2日の10周年の曲目は、すごいです。メンバーのオリジナル(野村誠、しばてつ、鈴木潤)、現代音楽(江村夏樹、平石博一、ジョン・ケージ)、古楽ギョーム・ド・マショー)、クラシック(チャイコフスキーワーグナー)、邦楽(中能島欣一)、NHK主題曲、しょうぎ作曲、ジャズ(チャーリー・パーカー)、映画音楽・・・・。10年分のエッセンスを思いっきりお楽しみいただけるよう、練習がんばります。目玉は、鍵盤ハーモニカ8重奏、平石博一作曲「手の記憶は耳に届く」(1998)の世界初演です。

http://www7a.biglobe.ne.jp/%7Enomu104/chirasip-blot20060902.html