野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

P-ブロッのリハーサルでした

今日は鍵盤ハーモニカ・オーケストラ「P-ブロッ」の練習。5月1日に、西宮の小学校公演がある以外は、近々のライブの予定はないけれど、メンバー内で集まって練習をしようという声が高まってきたので、本日は練習。より正確に言うと、「精緻なアンサンブルを目指す練習をしたい」という声が高まってきたのです。

ということで、本日の練習は、メンバー内では、「精緻練」と呼ばれています。

イギリスツアーで、暗譜でできるレパートリーも随分増えました。ツアーを終えて、バンドとしてのサウンドが、随分すっきりして、お互いの音が以前よりもよく聴き合えるようになった印象があります。寝食をともにしたり、色々な音楽家の音楽に遭遇したり、様々な場で演奏したりしたことが、こういう風に響いてくるものですね。イギリスツアーやって良かった。

今日は、平石博一作曲「この風は新たな光を放つだろう」を、まずやりました。これは、2002年に初演して以来、再演することなく5年間が経ってしまいました。やってみると、やはり難しい曲です。各自、パートを入れ替えて、演奏してみました。平石さんのミニマル作風は、違うパートを受け持つと、全体の聞こえ方が随分違うので、全パートをやったことがある上でパートを決めて練習すると、随分いいのだな、ということで、今日は色んなパートをやってみて、その上で、あみだくじでパートを決めました。今日決めたパートを、各自個人練してくることにして、この曲は、そこまで。

ちなみに、P-ブロッにも、クロノスカルテットにも楽曲委嘱を受けた日本のポストミニマルミュージックの第1人者、作曲家平石博一さんのホームページはこちら。
http://cat.zero.ad.jp/hiraishi/

続いて、しばてつ作曲の「5chサラウンドサウンドハイドン変奏曲」。この曲は、一つのメロディーを(ホケットになっていて)交代で演奏したり、5角形に配置された演奏家で、音像が移動していったりする曲で、曲によっては、相当頭の体操になって、集中力を必要にして、ボケ防止に最適です。まだ演奏に不満の多い楽曲を取り出して練習しました。変拍子で手拍子をしながら、足踏みもして、時々楽器も演奏する曲では、手拍子だけを取り出して練習もしました。この手拍子も、演奏家の中で5角形を巡回していくようにアレンジしなおして、バージョンアップ。

野村誠作曲の「あたまがトンビ」もやりました。この曲も、回を重ねる度に、少しずつ良くなっています。この曲が熟練したら、また、P-ブロッに新曲を書きたい気分になりますね。

で、次回のP-ブロッライブですが。5月1日に、西宮の帰りに、京都でライブしようか、という声があがり始めました。京都でライブするかもしれません。

それから、6月17日は、野村誠がP-ブロッのメンバーの言いなりになるコンサートです。しばさんは、難しいピアノ曲を作曲して、野村誠にスーツに蝶ネクタイ姿で演奏させようか、と言っています。カナちゃんは、「相撲組曲」を作曲して、曲の中で野村に相撲をしてもらおうか、とか意味不明のことを言っていますが、考えがまとまっていないようです。潤さんと吉森くんは、秘密主義で教えてくれませんが、いろいろ考えはあるらしい。吉森くんは、野村誠が音楽でやったことないことをさせて、新たな一面を引き出したいと考えてくれているし、潤さんは、野村誠をしっかり困らせるには、どうしたらいいかを、楽しそうに悩んでいました。

ヨーロッパツアーから帰ってきたら、6月上旬は、ハードな日々かもしれません。ワクワクですが、ドキドキです。それと同時に、新たな自分を発見できるチャンスかもしれないので、こんな機会を得られることじたい、メンバーに感謝です。でも、みんなは野村いじりができることに、喜びを覚えているようです。

それから、現在、精緻練でやっている曲も、6月のライブでやりたい、という話になりました。お楽しみにです。6月17日、門仲天井ホールです。