野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ワニバレエの集大成@平盛小学校

にしすがも創造舎のNPO芸術家と子どもたち」を訪ねる。
http://www.children-art.net/

村井さんというアーティストが、ワークショップの打ち合わせをしていたが、何やら星図を見ている。天文少年だったぼくとしては、興味津々。村井さんからは、天文関係者が流れ星が流れる度に電波を感知してそれを音で聴いて観測するやり方の話とかを聞いた。その音も聞かせてもらった。

こういう人が取手アートプロジェクトに応募してきてくれているといいな。ちなみに、全然応募がなかった取手も、最後の追い込みで200件以上の応募があったようです。20,21日には公開審査会があります。

それから、堤康彦さんと3月に平盛小学校でやるワークショップの打ち合わせ。このワークショップの運営資金の一部は、「ワニバレエ基金」から捻出する予定。

ワニバレエ基金」は、「ワニバレエ」の著作権使用料で発生したお金で、アーティストを小学校などに派遣する事業を運営しようという仕組です。「ワニバレエ」が流行れば流行るほど、子どもたちがアーティストと出会うプロジェクトがいっぱい実現する、というわけです。

どうして、こんなことをしようと考えたかというと、「ワニバレエ」という歌は、平盛小学校のワークショップで生まれた歌で、子どもたちと一緒に作った歌です。ですから、この曲の著作権使用料は、子どもたちにも分配されるべきかもしれません。そうやって考えると、作品の権利や金銭的な問題がいっぱい出てきます。そこで、3人のアーティスト(野村誠林加奈Hugh Nankivell)は「ワニバレエ」の印税は1銭も受け取らずに、全額「ワニバレエ基金」として、子どもたちの体験に還元されるようにすることにしたのです。

特に、平盛小学校は、収入の少ない人が優先的に入れる公団の子どもだけが通う学校なので、ほとんどの学校で実施している「芸術鑑賞会」も行われていない学校です。そういった学校の子どもたちが作った歌がテレビで放送されて、そのお金で、子どもたちがアーティストと芸術体験できる、という循環はすごくいいな、と思います。

2004年1月に、1年生だった子どもたちが、「ワニバレエ」の創作に関わりました。今は、4年生になっています。4年生にとって、1年生だった頃は、かなり昔かもしれない、と堤さん。その4年生と、「ワニバレエ」を発展させるワークショップをやってみよう、と思うのです。

まだ、日程を確認していないけれど、まずは、2年前のワークショップに関わった野村誠林加奈が3年ぶりに1週間ワークショップを行います。そこに、ワニバレエのアレンジをした鈴木潤ワニバレエを踊った白井剛もワークショップに加わり、さらに、ワニバレエを歌っている林加奈以外の2人のシンガー犬塚彩子、ウエインも加わり、ワニバレエ関係者総動員のプロジェクトで、3月5日からスタートして、3月10日には、発表会をしようと思うのです。

テーマは、「ワニバレエ」とは一体どんなバレエなのか?「ワニバレエ」の謎を解明するような感じです。「ワニバレエ」を発展させて本格的なコンテンポラリー・バレエを創作してしまうような感じ!

ということで、来年は、1月には、山下残くん(振付家)との公演があり、2月には、矢内原美邦さん(振付家)と住民参加のミュージックシアターをやりますし、3月には、白井剛くん(振付家)と小学生を巻き込んだ「ワニバレエ」公演ができるなら、3ヶ月間ダンスの年になりますね。

ぼくは、2000年に立てた2005年までに達成したい計画というのが4つあります。敢えて恥ずかしい表現・胡散臭い表現で4つ目標を立てました。

1 邦楽器の最高傑作の創作
2 ダンスオペラ
3 老人ホームの集大成
4 しょうぎ作曲の普及と発展

というのをあげました。この時、「ダンスオペラ」という表現をしたのですが、要するに当時ぼくは路上や野外などの活動をかなり意識的・重点的にやっていました。そういうところで培った方法を応用した劇場公演というものを具現化することが、「ダンスオペラ」という目標で掲げたことです。