野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

バンドになってきました

今日の収録は、大成功でした。
実は、今日の収録は、一番心配だったのです。ある程度、番組の形もできてきて、収録にも慣れてきたし、しかも、前回はダラダラと収録して時間がかかったので、今回は、時間厳守でいこう、とする空気もあった。こうしたことを全部、考えると、出演者が熱中する前に、段取りよく収録できて、そこそこのクオリティの番組が簡単にできる。そうなったら、「あいのて」は、ここを頂点にトーンダウンする可能性がある。だから、台本の隅から隅まで目を通して、どこで誰にどんな言葉をかけようか、とか、そんなことまでイメージして、収録に臨みました。うまくいかない時は、みんなが頑張るから、うまくいきますが、うまくいきそうな時は、油断したりして、みんなが力を出せないことがあるのです。

それから、今日は、徹底的にエイちゃんと関わろうと思っていました。

そしたら、エイちゃんは、そんなぼくの気持ちを見透かしているのか、ぼくが着くなり、楽屋にやって来て、「ストロー笛が鳴らないよ、なおして」と言ってきたり、まさに着替えをしようとしている「あいのて」楽屋を覗きに来たりして、エイちゃんの方から、すごく積極的に、ぼくらに関わりに来てくれました。

さらに、たわしの収録で、最初にたわしの音の魅力を感じてもらおうと、収録とは関係ないけど、エイちゃんの頭に段ボールをかぶせて、たわしのゴシゴシ音を体験してもらいました。嬉しかったのは、その直後のシーンで、エイちゃんは、たわしの新奏法を発明して、すごくご機嫌な上に、それも番組で紹介できたことです。

そして、エイちゃんがリハで楽しんだ段ボールハウスのセットも、美術のスタッフが用意してくれました。

ストロー笛では、前日の飲み会でお願いして、池田邦太郎さんが、助っ人に来てくれました。出演者5人のリラックスムードで、外部の人が来ると、緊張感が出るから、かなり迷ったのですが、雰囲気よりも音重視で、お願いしました。実際、池田さんが来たことで、それまで家族のようだった5人のメンバーは、少しよそよそしくなり、しかし、ストローの音が断然よくなりました。ずっと吹いていたら、酸欠になりました。

今まではテレビの収録の仕事に5人が集まっているような雰囲気でしたが、今日は、5人はバンドだなぁ、と感じました。仲良くなってきて、それぞれの役割もあって。休憩中に、ルリアちゃんとエイちゃんが、「あいのて」の当て字を考えてました。「あ」は仲村瑠璃亜の「亜」、「い」は森迫永依の「依」、「の」は野村誠の「野」、「て」は?残念ながら、尾引浩志にも、片岡祐介にも「て」の文字がない。すると、「他」と書いて、「てぁ」って発音するってのは、どう?となりました。これに、エイちゃんは、大喜びでした。ビッキーとオッカーは、反論してました。

それから、5人の名前の最初の文字をとって、仲森野尾片と書いて、「なかもりのおかた」。ユニット名ができました。

今年度の「あいのて」の残り7本収録すれば、終わります。そこで、残り7本の内容を、エイちゃん、ルリアちゃんに聞こうと思って、候補になるアイディアを30個くらい書き出してきました。とにかく、二人に主体的に番組に関わってもらうための、色んな仕組みをつくりたいのです。エイちゃんがやりたいのを言ってくれましたし、他にもアイディアを出してくれました。ルリアちゃんからも、意見を聞きました。これをもとに、残り7回の内容を考えるつもりです。

いっぱい心配した甲斐あってか、ぼくの心配をよそにか、今まででも一番いいくらいの収録でした。次の収録は、8月29日、約2ヵ月後です。ここで、さらなる再スタートがきれると、確信できる今日でした。