その後、あいのて第5回、第6回の曲の構成を決めました。第5回にやる石テクノに低音を出すために、ペットボトルを使いたいけど、第6回のペットボトルの驚きがなくなるといけないし、ということで、第5回と第6回を入れ替えよう、ということになりました。ディレクターの高橋さん、三浦さんとも、またまた、いいディスカッションができました。ディレクターサイドからは、こんな見せ方あるんじゃないか、とテレビ的な見せ方をいろいろ提案してもらいます。そうしたアイディアの中に、音の豊かさを伝えることからずれてしまうことがあれば、ぼくも遠慮せずに、それは違うんじゃないか、もっとこうした方がいい、と返します。第2回が放送中止になったことがきっかけで、ますます音楽家はより明確に音へのこだわりを打ち出し、ディレクターは音楽家の意図をテレビで伝える方法をどんどん提案していく状態に拍車がかかったような気がします。第5回のペットボトルは、ペットボトルを叩くという行為だけで、響きというものをどれだけテレビで提示できるか、という勇気ある実験になりそうですし、第6回は、石という素材だけで、ここまでディープに音の世界を作れるという番組になりそうです。そして、ぼくらは、今日も、レコーディングの合間でさえ、石を叩いて練習するのでした。きっと、尾引さんは明日からの沖縄ツアー中も、旅の合間に石を叩くことでしょう。
