野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

船迫中学校吹奏楽部と

ヒューと一緒に、訪ねていく。今年の1月から毎月1回のペースで訪ねて、これで4ヶ月目。最初の頃とは全然違って、その場で作曲することとか、即興的に音を出すことに対する抵抗感がなくなってきていて、楽器から出てくる音が、1月の時よりも、しっかりはっきり発音されていると思った。ヒューは、「これじゃない」、「スイッチ」という二つのゲームを楽器を使ってやった。これが、思った以上に面白かった。

それから、しりとりで作った曲「リハーサ留守番電わし机」・・・などをヒューに聴いてもらう。それに感銘を受けたヒューは、もう一曲しりとりで作ってみようよ。「家族」をテーマにしりとりをしてみることになった。なんでも、イギリスの学校でヒューは「家族」に関する曲を作っているらしい。

かぞく→(父)くさいあし→(祖父)しんだ→(祖父)だまされやすい→(祖父)いかいよう→(祖母)ようき→(兄)きもい→(父)いらつく→(妹)くだらない

お父さんの「臭い足」から始まって、家族で最初にぱっと思い出す言葉って、こんなイメージになるのか、という感じ。

かぞくさいあしんだをイギリス人であるヒューにイントネーションとリズムを決めてもらった。低い音でということで、テューバユーフォニウムトロンボーンバスクラあたりで担当、続いて、だまされやすいもヒューに決めてもらうと、だまさ・れーや・すいという意外なリズムの切り方になった。続いて、いかいようきもいも、同様に、いかい・ようき・もいとなったので、これをトランペット+ホルン+パーカッション男、フルート+クラリネット+サックス+パーカッション女、に振り分けて交互に演奏。いらつくだらないは、全て8分音符にして、3回繰り返し、繰り返しながら、毎回音型のピッチもダイナミクスも上昇していく、最後に、4分音符3つで、か・ぞ・くとやった。

タイトルを考えたら、「こんな家族」、「反抗期」という二つのタイトルが浮かび、最後にみんなで「反抗期」と言うことにした。ちなみに、英語に「反抗期」にあたる単語はない、とヒュー。中学生のみんなは反抗期の途中だったり、もう反抗期を終わったり、というメンバーが半々くらいだった。反抗期を経て、みんな大人になっていくんですね。

ちなみに、このプロセスは、

http://www.playingthemap.co.uk/

に既にヒューが英語でアップしています。いずれ、その音源もアップされるみたいです。また、このページには、ヒューがイギリスで子どもたちと作った歌や写真が体験できます。