野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

自発団

夜の大人とのワークショップ。生田さんは以前「ブリキの自発団」という劇団をやっていて、公演前に外を演奏しながら巡回したりしたらしい。我が音楽ワークショップチームも、自発団になってきたと思う。今日はそれを痛感した。

まず、絹川さん、倉品さんには聴いてもらって、一人ずつと野村のピアノによるデュオ即興をやった。もう一度、一人一人の個性にフォーカスしてみたかったので、それに寄り添い強調する演奏として伴奏してみた。

その後、話し合うと、一人ひとりの違いが見えて面白いし、お客さんにとっても、いいのでは、と意見が飛び交い、今度は全員を二人ずつのグループに分けてのデュオ即興をリレー式にやった。この辺からは、ぼくがリードするのではなく、ワークショップグループが自発的にアイディアを出して展開させていった。

休憩後、舞台上の配置をどうすべきか、についてもワークショップ参加者に相談して、いい感じで本番に向けて進んでいる。ここで、音楽ワークショップのディレクターとしては、公演二日前で、いろいろ練習したいし、早く結果を出したい気持ちになりそうだけど、でも、焦っても良くないし、じっくりゆとりをもって、きちんと意思確認をして、やろうと思った。本番でどんなことをやりたいか?人前で即興をやることに抵抗があるか?などについて、一人ずつ全員の意見を聞いてみた。みんな一人ひとりの今の気持ちや、本番でやりたいことが分かった。ぼくらは、生田さんの劇の中で21曲演奏し、しかも、第1部では即興を中心としたステージをやるのだけど、それだけでは、今までのワークショップのことを伝えきれない。もっとやりたい、開演前にロビーで演奏したり、チケット売り場の横でも演奏して、しかも、えずこホールの色んなところで演奏して、ひょっとしたら外でも演奏して、なんて言うのだ。ということで、開演前のパフォーマンスについては、思い切ってワークショップ参加者にディレクションも任せてしまうことにした。

それから、「つくつくぼーし」の3重唱の楽譜もコピーして、ちょっとやってみた。これは、児童合唱団「つくしの会」が11日に演奏してくれる。本番2日前になって、さらに新しい楽譜を手渡してみたり、新しいことにチャレンジするなんて。野村誠もメチャクチャだけど、それに触発されて、「もっと、やりてぇー」、「やりたりない」とやるメンバーもメチャクチャだ。たった2ヶ月前に初めて会った人たちが、ここまでやってくれるとは、正直期待を遥かに超えてます。すごい!

最後は、生田さんの芝居の「ンデレラ」の場面の練習。10時すぎに3時間のワークショップ終了。その後もみんななかなか帰らないで、まだまだホールの中で演奏してる。これ、本当にスゴイよ。伸びる、伸びる、どんどん伸びる。よしよし!!