野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

やりにくいシロアリ

白石女子高校の吹奏楽部へ。1月に来て以来2度目。今日は、倉品さん、絹川さん二人の俳優とどんな時間になるか楽しみ。木琴の上で卓球をしている設定で、倉品さんと絹川さんに芝居をしてもらった。キャサリンとローラの卓球。ローラはトリプルスペシャルサーブも繰り出した。途中で、打楽器の一人が芝居に深く参加したりして、倉品さんとマジックショーまでやってしまって、大活躍。相当、面白かった。最後にはキャサリンは医師ブラックキャサリンになったりした。

その後、曲を作ってみよう、ということになった。絹川さんが、「小さい」音楽をやって欲しいというので、ピアニッシモの音楽をしよう。木管だけで各自が自分の最弱音を鳴らしてみた。金管だけで各自が自分の最弱音を鳴らしてみた。すごくいい味わい。

で、速いのと遅いのとどっちがいいか→速い、やりにくいのとやりやすいのとどっちがいいか→やりにくい、と曲のイメージをかためていって、ビートのある曲で、各楽器のやりにくい音を使うようにすることになった。

ブラックキャサリンというリズムのブラックは、ブラックだから黒い楽器。黒い楽器は、クラリネット。そんな風に決まっていった。大太鼓が演奏しそうなことはフルートに、フルートが演奏しそうなことはテューバユーフォニウムに、というように、各楽器の不得意なことを担当すると、響きが吹奏楽らしくなくなる。ピアニッシッシモで音が出るか出ないかの際どい音で、苦手な役割をすることによって、曲ができていった。ちなみに、ローラはトリプルサーブを打ったので、3連符を3回繰り返した。