野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

中学生とのワークショップ

Blackburnでヒューとワークショップ。まずは、11年生(15歳)のクラス。8人くらいのクラス。音楽選択のクラスだけど楽譜の読める子はほとんどいなかった。それで、日本語は全然知らないって言うから、日本語を想像してホワイトボードに書いてもらったら、何かの字に似ている。敢えて似ている字を探していくと、「打」、「之」、「サ」、「イ」、「土」、「冬」、「大」、「井」、「介」という字になった。それぞれの意味を、beat, of, sa, i, ground, winter, big, well or spring, helpと説明。この単語を使って歌を作ろうということになった。
子どもたちは、型にはまった歌を作りたいというので、intro, verse1, chorus, verse2, chorus, bridge, chorus, endingという形式で歌を作った。できた歌は、

verse1
I’ll beat you down.
To the soul in the ground.
The beat goes round and round.
To the sound of the underground.

chorus
It’s the sawdust of life
Cuts it through with a knife

verse2
Farewell to spring
I’ll take you under my wing
Where the angels sing
No more worring

bridge
You can die in winter
Watch out for the splinter

90分の授業でここまで作ってレコーディング。結構、焦ってやったけど、いい歌。sawdust(のこぎりのクズ)という単語が出たのは、「サ」=saから、saで始まる単語を考えたところ。のこぎりのクズの生活なんて、面白いなぁ。

次も11年生。今度は2グループに分かれて、ぼくのグループは「ホエールトーン・オペラ」第3幕より「黒と白」を、ヒューのグループは第1幕より「バナナケーキレシピ」をやった。「黒と白」は黒鍵だけで演奏する小節と白鍵だけで演奏する小節が交互に訪れる曲。1小節ずつ担当を決めてやった。途中で「ホエールトーン音階」(全音音階にAの音を追加)で演奏する部分も作った。バナナケーキレシピは、日本で作ったバナナケーキとは違った作り方でのボイスアンサンブル。

昼休みには、最初のクラスの子たちがsawdust of lifeの歌詞を写しにやってきた。気に入って、歌っていこうと思ってくれたようだ。

午後は10年生。「ホエールトーン・オペラ」第4幕から「2 dances」をやった。5/4のリズムが難しそうなので「ニコラ・ニコラ・シャーロット」と名前でリズムを作ったりしたけど、バラバラ。バラバラはバラバラで面白いや。あと、変な楽器の演奏の仕方を考えて、と頼んだら、オリジナルと似てる動きが出て面白かった。

第3幕の「梅の精」を発展させようと、「梅の精」という漢字からイメージすることは何?と聞いたら、
1 walking to a pond
2 catch a fish with a rake
3 tombstone with a t.v. aerial
となって、これの歌も作った。

この後、ヒューは家に帰り、ぼくはこの企画をしているレベッカの家に泊まることに。レベッカに誰か日本人知ってる?と聞いたら、最近、福岡のアジア美術館の黒田雷次さんと一緒に仕事してるとのこと。意外なところにつながって、びっくり。

レベッカの息子のオスカー(2歳10ヶ月)を保育園に迎えに行く。その後、結構、オスカーと遊ぶ羽目に。オスカーは、P−ブロッのCDが大好きで、毎日何度でも聞きまくっているらしい。