野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

佐久間くんと話す

早朝、アナンがタイへ帰って行った。
佐久間君は夕方の飛行機で日本へ。
ぼくと幸弘さんの二人が残った。
今日は一日、佐久間君と話した。こんなことは久しぶりだ。
1996年、「踊れ!ベートーヴェン」を作曲しインドネシアツアーをした時、佐久間君はインドネシア国立芸術大学に留学中でジャワ舞踊を学んでいた。その時は、プランバナン中学校の子どもとのワークショップを、佐久間君に付き添ってもらって行ったので、毎日、だらだら雑談をした。その後、ずっと佐久間君とゆっくり話すことはなかった。
2000年、「せみ」を作曲している時、ぼくは留学を終え帰国し、倉庫を改造しながら素敵な家を作っている佐久間君の家に何度も宿泊した。ぼくが曲のアイディアを考えている横で、佐久間君は壁を少しずつ白く塗っていた。これからジャワ舞踊教室を始めたり、新しい生活をしようとしている時だった。その時も、毎晩、だらだらと話をした。
それから、また、5年が経った。5年ぶりに佐久間君とだらだら話した。佐久間君はこの5年間で大きく成長した。それと同時に、マルガサリのメンバーに色々伝えたいと思い、ついつい説教してしまい、逆効果になってしまったり、次の世代にどうやってメッセージを伝えるか、というところで、壁にぶつかっている。
ただ、はっきりしているのは、佐久間君は誠実な人、まっすぐな人だから、着実に壁を乗り越えて行く人だということ。その点では信頼できる。次、彼とだらだら話す時に、彼は、どんな壁を乗り越え、どんな壁に挑戦しているのだろう?