野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

コッコッコケッケケー


さて、今日から提示部の第2主題。無調で書く。音楽療法士石村真紀さんと遊んだ無調の即興のイメージで書こうと思ったが、印象に残る強い主題をと考えているうちに、海印寺保育園の5歳児クラスと考えた「コッコッコケッケケー」が主題に選ばれた。そのまま、コケッケケーを何度も提示。石村さんとのイメージを書こうとするが、気がつくと消しゴムで消されて、ニワトリに音符を奪われる。

お昼ご飯を食べながら、せっかくだから無調の曲を聞いてみよう、とウェーベルン弦楽四重奏などを聞く。もちろん、作曲の参考には全くならない。今、書こうとしているのは、5歳児のニワトリと、無調の音楽療法即興演奏家の音を結び付けた音楽。石村さんとの即興を思い出すつもりで、電子ピアノを弾いてみたりする。カラダが少し思い出す。しかし、ニワトリのイメージがまだ強い。

フランスで展示されていた「しょうぎ作曲」の楽譜が返送されてきた。自分(たち)の楽譜が、フランスの美術展で展示されていたのは、なんとも不思議な感じ。しかし、封を開けることもせずに、部屋に戻って、作曲を続ける。

数時間たったら無調で書くのがカラダに馴染んできた。昨日まで、調性で書いていたので、適応に時間がかかる。イギリスで生活していて、急に日本人に会っても、すぐに日本語が出てこない、日本語で喋るのにちょっと時間がかかるような感覚。