野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

展開部が展開するには


朝ご飯を食べながら、何か無調の曲を聞こうと思って、リゲティのエテュード(ピアノ曲)のCDを書けたら、モーダルな感じで、あんまり無調じゃなかった。聞きやすいけど、あんまり何にも感じない音楽だなぁ、と聞き流す。

順調に書き進めて、昼食前には第2主題も書き終える。さて、いよいよ展開部。展開部って、どういうものなのか、参考までにモーツァルトソナタの楽譜などを見てみる。はぁ、なるほど、と思うが、興味が持てない。提示部の方が面白くって、展開部って、テーマを言い換えたり、展開しているのが、ダラダラ続く曲ばっかりで、何だか興味が持てない。ま、それは展開の仕方が悪いのか。

ジャズなんかでも、最初にテーマやった後、アドリブがあったりするけど、あれが、どうにもぼくには退屈なことが多い。だらだら、つまらないアドリブされても聞くに耐えない。でも、セロニアス・モンクが、面白いアドリブをしている録音を聞いて、アドリブも面白いこともあるのか、と思ったこともある、くらい、たいていは退屈せうる。

だから、展開部は、どう書いていいのか、なかなか気が乗らず、気分がのるまで、色んなことをして過ごす。

で、結局、シンポジウムとかで、まずパネラーの人が一人ずつプレゼンテーションした後のディスカッションに当るのが、展開部だ、と思った。つまり、探り合ったり、予定調和になったり、展開しないうちに終わったり、するとつまらないが、本気でぶつかり合ったり、意気投合したり、何か大発見があったりすれば、面白くなる。最初のプレゼンから、いいセンテンスを見つけて、そこから、一気に話の本題に踏み込めれば、いいはずだ。ということは、ぼくがやるべき作曲は、提示部の中から、奥深くに踏み込めるフレーズを引っ張りだし、そこから、一気に核心に向かうような、そんなことをしなければいけない。

ということで、方針がかたまって、しかし、数小節しか進まず、書いては消し、書いては消し、とやって、今日はココまで。明日からは、しばらく作曲する時間が持てないと思うので、次は1週間後にこの続きをすることになるだろう。