野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ソナタ形式を勉強しなくっちゃ!


昨日の佐藤信子さんのリサイタルの余韻で目覚める。ひとまず、朝食を食べながら(と言っても12時ですが)、佐藤信子さんの師匠であるシェンクさんのCDで、ベートーヴェンソナタなどを聴く。続いて、御喜美江さんのアコーディオンによるバッハのイタリア協奏曲もCDで聴く。これを聴いているうちに、ソナタ形式で曲を書くことを思いついた。

昨日、佐藤信子さんは、シューマンの「ダビッド同盟」を弾いていた。あの曲は、シューマンの二つの異なった人格が作曲している形になっている。ソナタっていうのも、第1、第2と二つの主題が織り成すストーリーで、そういった二元論みたいなことに、21世紀に興味を持つとは思わなかったのですが、なんだか、そういう気分になった。

第1主題は、夏休みの中学生とのワークショップにあった素材からハ長調の主題。第二主題は、石村真紀さんが「私、無調です」と言った「無調、無拍子」の音楽。とすれば、ソナタらしくコントラストがつくし、ぼくの最近の生活や気分にもマッチして曲が書ける。これで、曲の方針もできたし、一安心。それにしても、21世紀にもなって、アコーディオンのためにソナタ形式で書くなんて、思ってもみなかった。今どき、ソナタを書くなんて、学生の習作くらいじゃないかなぁ。

さっそく、御喜美江さんにもメールを送った。こんな方針ですよ、と。

それで、ソナタ形式なんかで曲なんて書いたことないから、手元にあったベートーヴェンハイドンピアノソナタの楽譜を適当に初見で弾いてみる。

それから、ハ長調の第1主題の作曲に取りかかる。なんだか、どこまでがハ長調なのか、古典派のパロディーがしたいわけでもないし、どの範囲の中で作曲するかが、はっきりかたまらない。でも、ハ長調の面白い曲を作る、というのは、難しいけど、楽しい。

御喜美江さんからも、メールの返事が来て、いよいよアコーディオンの新曲が楽しみになってきました。