3月3日、耳の日。高松市美術館35周年記念コンサート、生涯忘れられないコンサートとして、自分の記憶に残るものとなった。先着200名で事前申込不要だったので、何人来るか未知数だったが、開演30分前に既に長蛇の列ができて、座席を増席しても足りず立ち見も多数出る大盛況に!高松の文化度の高さを感じるとともに、これまでの高松市美術館の取り組みの成果があってこその超満員だとも思った。
プログラムは、
1 野村誠《鍵盤ハーモニカ・イントロダクション》(2013)
2 野村誠+加藤綾子《高松市美術館のための3つの即興曲》(2024)
3 野村誠《ライオンの大ぞん 村山籌子の童話よる合唱曲》(2023)
4 野村誠《石の意図=糸の意志》(2024)
5 野村誠《おむすび山の磬の祈り》(2024)
ぼくの中では、作曲家としての野村誠、ピアニストとしての野村誠、即興演奏家としての野村誠、鍵盤ハーモニカ奏者としての野村誠、音の探求者としての野村誠、人と関わりながら音楽をつくる野村誠、場所と関わりながら音楽をつくる野村誠などは、矛盾なく共存している。その世界観/音楽観を5つのプログラムで提示することができ、大きな手応えを感じた(どんなコンサートだったかについて、詳細の感想レポートが佐々木裕健さんによりYouTubeにアップされているので、そちらを参照してください)。
臼杵美智代さん(サヌカイト)は初共演だったし、加藤綾子さん(ヴァイオリン)も二度目の共演で作曲した曲を演奏してもらうのは初めてだったし、国分寺中学/山田中学の合唱部も当然初共演で、野村ワールドほぼ初体験のメンバーばかりでの演奏会だったにも関わらず、互いに精一杯理解し合おうとしたことで、一緒に作り深みに達することができて、このメンバーでやれて良かったなぁ。
ワークショップも事前申込不要だったが、50人近い人数が参加。サヌカイトを好き勝手に鳴らしてもらったり、簡単なルールで音を出したり、開館・閉館のアナウンス原稿を読んでいただいたりして、それを録音した(これを今月、ぼくが編集して、開館・閉館の音楽を作曲する予定)。これも、とても良い時間だった。
盛り沢山な3月3日。1年かけて少しずつ準備した企画が花開き達成感があると同時に、本日で終わってしまう寂しさも感じ、余韻に浸る。でも、楽譜を出版したいとか、再演したいとか、そういう声もあがっているので、終わったようで新たな始まりでもあるのだなぁ。
美術館の牧野さんはじめ全ての関係者のみなさん、
ほんじつは あーりがとう ございました