野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

いよいよ最後のリハーサル

高松市美術館35周年記念『野村誠コンサート 音楽の未来を作曲する 〜サヌカイト・即興・村山籌子』も、いよいよ明日。

 

午前中は、国分寺中学校合唱部+山田中学校合唱部、加藤綾子さんとの合同リハーサルで、《ライオンの大ぞん》。ヴァイオリンが加わることで、村山籌子の世界がさらに広がるし、エントランスホールの石の残響が合唱の声に艶を与えてくれて、非常に良い。いくつかの修正ポイントをブラッシュアップしていき、大変良い演奏に仕上がった。録音の五島昭彦さんも到着。

 

後半はサヌカイトの臼杵美智代さんも加わり、《おむすび山の磬の祈り》の合唱部がサヌカイトや声で加わるところをリハーサル。エントランスホールの空間をうまく活かせて響きが作れてよかった。アンコールも練習。

 

午後は、《石の意図・糸の意志》を臼杵さんと試行錯誤。サヌカイトと箏の組み合わせは本当に面白い。臼杵さんも打楽器奏者らしく、音色や奏法を追求されてとても良い。

 

臼杵さん加藤さんと《おむすび山の磬の祈り》のトリオ部分もしっかりリハーサル。合奏はかなりいい感じ。あとは音量バランスの調整。サヌカイトは、硬い音色と柔らかい音色の音量の調整などが繊細で、その辺が課題。皆さん、おつかれさまでした。

 

鍵盤ハーモニカも個人練習。ワークショップの準備でサヌカイトを講堂の床に並べると、これだけでインスタレーションみたいで美しいし、音もかわいい。

 

美術館の企画展をクイック鑑賞。明治生まれの浮世絵版画家川瀬巴水の展覧会。浮世絵木版の色って、こんなにカラフルなんだなぁ、と思う。江戸時代の版画の色味が渋いと思っていたのは誤解で時代の経過で色味が落ちただけかも、と推測した。

 

だいたい山とか空とか橋とかが目立つ風景画で、人はあんまり出てこなくて、出てきても小さく少し。明治や大正時代でも、これくらい自然は大きく、人間は小さかったんだなぁ、と思う。十和田湖城崎温泉、熊本のえず湖、天草、長崎の眼鏡橋、京都の清水寺、鴨川など、自分が旅で訪れたことがあり認識できる景色がいっぱいあり、しかし、たった100年前でも風景は変わってしまうものだなぁ、と思わされる体験でもあった。

 

エントランスホールには、座席がぎっしり並べられて、明日の準備も万全。いよいよ明日が本番。

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