野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

第149回だじゃれ音楽研究会Da Hexetertonic Jar E Orchestra

30年前にイギリスで出会った作曲家で色々な人とその場で音楽を作っていくHugh Nankivellとは、ずっと交流を続けている。ヒューは、ボーンマス交響楽団とも仕事をしていて、その一つとして、Exeterという町でEmma Weltonとファミリー・オーケストラAuberginesの活動をしている。ファミリーオーケストラと言っても、クラシックの曲を楽譜を見て演奏したりするわけではない。楽譜を使わず、いろいろな楽器を持ち寄り、即興で音をつくっていく。

 

ヒューとエマから、久しぶりに、Auberginesとだじゃれ音楽研究会でオンライン・セッションをしようと提案があり、本日、第149回だじゃれ音楽研究会(だじゃ研)は、Auberginesとのzoomセッション。コロナの頃は、頻繁にイギリスと日本で交流していたなぁ。懐かしい。zoomで即興は、聞こえなくなる音もあるし、一人の音ばかり聴こえることもあるので、小まめに音を出すのをやめたり、音量に変化をつけるのがコツだったことを思い出す。

 

今度、ボーンマス交響楽団ヴォーン・ウィリアムズの《ロンドン交響曲》を演奏するらしく、ヴォーン・ウィリアムズがロンドンの音を表現したのならと、Auberginesはエクセターの音を表現する。イギリスのperegrim falconという鳥の録音を聞かせてもらったり、教会の鐘の録音を聞かせてもらったり。その教会の鐘は、B, C#, D#, E, F#, G#の6音から成っていたので、ヒューが6音音階(hexatonic scale)にExeterという地名を盛り込み、hexetertonic scaleというだじゃれにしていた(さらに、ヒューは、ここに「だじゃれ(=Dajare)」を組み込んで、Da Hexetertonic Jar E Orchestraと遊ぶ)。この6音で即興したりもした。

 

イギリスと日本(そしてインドネシア)で、今日のようなコミュニケーションができたのは楽しい。

 

そう言えば、今日は、たまたまAlexandre Tansmanの世界をめぐるピアノ曲《Le Tour du monde en miniature》(1933) を弾いて、世界を旅する気分を味わったところだった。片岡祐介の「なんちゃって音楽」みたいな曲だ。

 

www.youtube.com