野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

インド音楽へ/サヌカイトと箏

里村さんが天草で会議があるというので同乗し、片道1時間半のドライブを楽しむ。会議中は、町の図書館で読書。

 

今、読んでいるのは、Oliver Craske『Indian Sun: The Life and Music of Ravi Shankar』という700ページ近くある分厚い伝記で、2020年にラヴィ・シャンカル生誕100年だし、読んでみようと思って買ったのに、4年近く放置していた。「世界のしょうない音楽祭」でも、長年シタールの田中峰彦先生にお世話になり続けているのに、ぼく自身、未だインドに行ったこともなく、不勉強が続いている。インド音楽も深すぎて、なかなか手が出せないのだが、きっかけと読んでみようと読み始めたら、面白くてのめり込む。www.faber.co.uk

10代は、お兄さんの舞踊団に参加して、世界各地をツアーしまくっていた。最初は音楽じゃなくてダンスをしていて、本格的にシタールの修行を始めるのはその後。ラジオでインド音楽知名度をあげていったり、通常は独奏で超絶技巧を聴かせるインドの伝統楽器を集めてオーケストラみたいにしたり。他の演奏者の背後で伴奏していたタブラを前に出て目立つ場所で演奏させるとか。新しいラーガを作ったり、どんどん映画音楽の作曲したり、古典音楽だけど革新的で柔軟。この後、どうなっていくのだろう?

 

ぼくは、近隣の東アジアや東南アジアに何度も足を運んで来たけれども、南アジアや西アジアには行ったことがない。イスラエルパレスチナの戦争のことを考える上で、西アジアのことを考える日々になるのだけど、西アジアを考えようと思うと、南アジアを素通りして西アジアのことを考えられない。

 

単純なパターンの重なり合いから複雑な音響が生まれてくる音楽ということで、東南アジアの音楽は、自分が考える音楽のあり方と共通する部分が多く、インド音楽の名人芸とは距離を置いていた気がする。でも、自分なりにインド音楽と関係が築けるはずだ、と思い始めたので、これからインド音楽を野村流に吸収していきたい。

 

カフェやお寿司屋さんで、先週の里村さんの誕生日を改めてお祝いし、帰宅。

 

帰宅後は、サヌカイトと箏の実験が続く。だいぶ見えてきた。