城崎国際アートセンターでの滞在も終わり、コロナで中止が続いていた相撲神事が再開しているので、リサーチに行く。兵庫県西脇市の「なまずおさえ神事」が4年ぶりに開催されるというので、城崎から車で2時間半ほど南下して見に行った。
野間川を挟んで南が板波町、北が野村町。この二つの町で行われる不思議な儀式。兵庫県養父の水谷神社に伝わる「ねってい相撲」と似ているという噂から、ずっと興味があった神事。
伝承によると、石上神社の宝刀が盗まれたが川の中で発見した宝刀はナマズに変わってしまう。神様に怒られないように、毎年、ナマズをおさえ、宝刀を探していることを神様に報告するための儀式という。
野村町の保存会の藤原さんから詳しくお話を聞かせていただき、資料もいただく。そして、板波町の廣田さんのガイドで、祝詞(しゅうし)という町ごとの作戦会議を見学させていただく。本来は暗闇神事なのだそうだが、雨なので公民館で実施。酒、たくわん、鏡餅を振る舞う。
その後、神社の本殿で神事が行われる(本来は土俵で行われる)。次々に、板波、野村から1名ずつ登場して、常に2人対の動きで進行する。「練り」と呼ばれる「あー、よいしょ、よいしょ」という掛け声に合わせて、相撲のテッポウのような動きをする不思議なシーンが、面白い。「ねってい相撲」が四股だとしたら、「なまずおさえ神事」はテッポウ。
相撲神事のリサーチは、本当にライフワークになる。
2015~16 岩槻古式土俵入り(埼玉)
2017 神相撲と傀儡舞(大分)
2018 ねってい相撲(兵庫)
竹野相撲甚句(兵庫)
2021 日撫神社角力踊り(滋賀)
石山花相撲(宮崎)
河童踊り(大分)
2023 なまずおさえ神事(兵庫)