野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

第143回だじゃれ音楽研究会

中野裕介展のカタログの原稿を執筆。200字という文字数指定が非常に大変。まず書くと1000文字以上になるので、削って500字くらいにしてからが大変。250字くらいから50文字削るのがもっと大変。とにかく、文字数を節約する表現に書き換え続ける。省略できることは可能な限り省略する。ほとんどの時間を原稿を削る作業に費やして、原稿を完成。5分の曲を30秒にアレンジするとか、そういうのをやると、自分の違った面が出せる可能性あるな、と思った。

 

東京藝術大学千住キャンパスへ。第143回だじゃれ音楽研究会。8月に怒涛のように過ごした(通称)「だじゃれウィーク」から2週間。8月23日の梅田クラブ5周年記念、8月25日のサントリーホールでのEn-gawa出演、8月27日のサントリーホールでの《タリック・タンバン》上演。この3つの大きなイベントを振り返る。梅田クラブの記録動画も見ながら懐かしむ。子どもの反応もよかったから、子どもたちとの交流なども仕掛けていきたいな。

 

《タリック・タンバン》参加/出演したそれぞれの立場からそれぞれのドラマがあり、それを聞くだけで感動する。例えば、86歳で初めてシトゥル(ガムランの弦楽器)という楽器を本番で演奏した坂口さんは、この楽器を買って始めようと思われたそうだ。智子さんは100年前にウイスキーを作った人にも敬意を表しながら乾杯の言葉を言われたそうだ。綱引きの綱を観客に危なくないように運ぶための様々な苦労話、などなど。

 

8月27日のコンサートについて、ネット上でも賛否両方の意見が飛び交ったと教えていただく(賛の方が多かったそうだ)。当たり障りのない表現だと賛も否も出ないので、賛否両方の意見が出て嬉しい(心を動かされた証)。大昔、藤本由紀夫さんがアンケートを読むとそれを気にして表現に影響が出るから読まないと仰っておられた。ぼくは読むけど、気にしてたら表現できないので、気にしない。ぼくの作曲人生は、賛同者も多いけど、否定的な意見に常に晒されている。だから、慣れているし、否定的意見も歓迎。こちらが長い時間をかけて熟考して発表している作品は、これで終わりではない。その先を見据えるためには、賛同も批判も必要。議論が必要。もっと考えることが必要。だから大歓迎。

 

本日は、11月12日の『1dayパフォーマンス表現街』に向けて、ほんちょう商店街を歩いて下見の後、芸大に戻りセッションを楽しんで後、夕食=打ち上げで、語り合い続けるが、どこまでも話は続いていく。