野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

金沢ナイトミュージアム2023『みずのおと〜自然の音で遊ぼう〜』

金沢ナイトミュージアム2023『みずのおと〜自然の音で遊ぼう〜』@金沢市役所第2本庁舎エントランス。

 

企画は、金沢大学卒業生のグループOTONOVA(石榑さん、国谷さん、谷口さん)で、名前から推察するに「新しい音の場をつくっていく活動をしている」。国谷さん、谷口さんは、作曲家の浅井暁子さんの金沢大学の教え子で、5年前に野村と一緒にコンサートを行った。

 

OTONOVAのメンバー、浅井先生、大学院生のヨーさんと設営準備に、会場の担当者の人が現れたと思ったら、よく知るお顔、黒澤伸さんだった。黒澤さんは主催の金沢芸術創造財団の人になっているらしい。現場のことがわかっている黒澤さんが対応してくれて心強い。

 

浅井先生も実家からタライを持ってきたり、家の引き出しを急遽水を入れる容器として提供して下さったり、調理用のボウルなど、音を楽しむための環境づくりに精一杯のサポート。こうした皆さんの熱意ある準備が実って、ワークショップは本当に清々しく解放的な創造の時間となった。

 

金沢在住の作曲家/パフォーマー足立智美さんも、「近所だから」とふらっと現れて、ワークショップに参加していく。参加者は即興演奏家、小さな子ども、学校の先生、学生、OTONOVAの知人、など色々。

 

野村の《鍵盤ハーモニカ・イントロダクション》の導入、国谷さんによるジョン・ケージの《Water Walk》の演奏、その後、野村によるウォーターゴング、ウォーターアゴゴベル、ウォーターカウベル、ウォータートライアングルなどの実演。グループに分かれて、それぞれのタライ(またはプール)で音の実験を開始。シンバルをプールに沈めていく奏法が不思議で面白い。その他、あらゆる不思議な奏法や音がする。浅井先生のパートナーさんが、水滴を楽譜として音に変換するプログラムの体験コーナーも。

 

すっかり楽しみまくって後、一度、静かになっていただき、グラスハープの音を聴いてもらう。それに、ぼくもピアノで和音を重ねていく。そこに水の音、不思議な楽器たちの音などが重なり、絶妙な渋い音楽になる。

 

水滴の楽譜体験タイムの後、足立智美野村誠デュオの時間を設ける。昨年は、グレンダ・レオンのインスタレーションを二人で即興したが、今日は水づくしの即興。足立くんは、さすがで水を演奏しても足立智美だった。

 

www.youtube.com

 

この即興デュオで水をバシャバシャ飛ばしまくった。最後は、みんな好き放題水と楽器で遊び、ぼくはピアノでビートを出しながらアンサンブルに加わった。みんなで水を芝生に流してのお片づけで終了。

 

足立くんから北陸即興という即興グループのメンバーであるピアニストの氷見房子さんを紹介される。北陸即興は、ダンス、演劇、音楽のメンバーが即興するグループとのこと。色々、面白いムーブメントが起こっているのは嬉しい。

 

浅井さん、石榑さんと打ち上げ。浅井さんは、音楽教育のことなど、いろいろ熱く語る。大学生、卒業生に、本当に愛情豊かに接しておられる。起業して仕事を生み出していく石榑さん、OTONOVAの今後の展開にも期待大。また、金沢に来たいと思える滞在だった。多謝。