野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

誰も知らない山の神さまちゃん/上海フランス租界への招待

6月25日の大田智美さんのコンサートに向けて、ピアノも練習しているけど、今日も荒井良二展に向けての作曲をする。これ以上作ると作りすぎかな、と思ったが、里村さんが「もっと他のも聞いてみたい」と言う。じゃあ、もう一曲作ろうと取り組む。荒井さんの『山のヨーナ』の中に、山のヨーナsoundtrackというページがあって、そう言えば山形ビエンナーレでの展示『山のヨーナ』でも音楽が流れていたなぁ。そうか、サントラかぁ。ぼくは、荒井良二展のサントラを作っているんだ、と気づく。今日、新たに作った不思議な曲は、荒井さんの絵で言えば、《誰も知らない山の神さまちゃん》っぽいかなぁ。とりあえず、今ある7曲に仮にタイトルをつけると、こんな感じ。

 

1 誰も知らない山の神さまちゃん

2 ゾウバス追走曲

3 小さく光る‥‥。きょうというひ

4 なにかが行進する

5 逃げるこども

6 草原の祭囃子

7 new born

 

榎本泰子・森本頼子・藤野志織編『上海フランス租界への招待』(勉誠出版)読了。以前、大阪音大の井口淳子先生の上海バレエリュスに関する本を読んでいたが、この本を読むと、井口先生だけでなく、色々な研究者が多方面から上海フランス租界を調べていることが立体的に見えてきて、面白い。ラジオ番組、新聞のコンサート評、図書館、アートクラブなどなど。読み進めるうちに上海租界への距離がどんどん近づいていき、最後に芥川龍之介を通して、上海租界を体験する。上海に行ったことないけど、行きたくなった。3,520円もする本だけど、読み終えたらお値打ちの本だと分かったし、マニアの研究者じゃなくても読んで面白い本だった。

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