Allen Forte著『The Harmonic Organisation of The Rite of Spring』読了。ストラヴィンスキーの《春の祭典》の和声を分析した本。フォートの理論は、数学に集合という概念があり、集合論としてハーモニー理論を語る。例えば8-28という集合は、｛0,1,3,4,6,7,9,10｝と表現できて、これはメシアンの移調の限られた旋法２と同じ。これ以外に、8-16｛0,1,2,3,5,7,8,9｝、8-18｛0,1,2,3,5,6,8,9｝、8-23｛0,1,2,3,5,7,8,10｝といった類似した集合があって、分析を読むとそれらが頻出する。さらには、8-28（移調の限られた旋法２）の部分集合（例えば、7-31｛0,1,3,4,6,7,9,｝）が、とにかくよく出てくる。こうした分析を読みながら、同じピッチクラス集合を活用して、ストラヴィンスキーとは全然違う響きの音楽を作ってみるのが最近の日課だったが、読み終えてしまった。
