野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ツボと壺の展覧会

メシアン・ゲーム」の作曲が少しずつ始まっていて、メシアンのモード「移調の限られた旋法」での様々な和音について、考えているうちに、急にロックンロールになってきて、ノリノリになってきて、作曲が面白くなってきた。鍵盤ハーモニカ・オーケストラのPーブロッで、しばてつ作曲「ビネール」という曲を何度も演奏したけど、あれも「移調の限られた旋法」を使った曲だったし、あの曲はジャズだったなぁ。

 

ギャラリー16で開催中の池上恵一さんの展覧会を見に行く。見に行ったつもりだったが、もちろん単に見るだけではなかった。

TSUBO×TSUBO 〜ツボと凝りの展望

 かのうたかお × 池上恵一

Tsubo x Tsubo というから、池上さんがツボ(マッサージの)に関する展示で、かのうさんが壺の陶芸の展示をしているのだろう、と思って見に行ったら、違った。ツボ(マッサージ)に関する壺を共作していたのだ。陶器をこねる手と、体を揉む手の関係。内側と外側が反転し、揉む側と揉まれる側も反転する。展覧会を見るつもりでギャラリーに入ると、いきなり靴を脱ぎ、作品を踏み、刺激され、寝転がり、作品と接していても、見ていなかったり、時には、目をつぶり、天井を見ていて、様々な感覚を刺激される。陶器の展示作品を、あんなにベタベタ触りまくったことも、人生初。心地よい時間だった。