野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ウィーンに六段の調/古里の家

萩谷由喜子著『ウィーンに六段の調 戸田極子とブラームス』(中央公論社)を読了。

 

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柿塚拓真さんから紹介してもらった本。邦楽の古典『六段』をブラームスが実際に聞いていたそうで、ブラームスに演奏した人物が、岩倉具視の娘である戸田極子。ブラームスとのからみは、本書で一瞬登場するだけなのだが、幕末から明治にかけての時代に、日本の女性が海外に留学した話を読むのは、とても面白かった。三味線弾き語りのための《初代高砂浦五郎》を作曲した際には、幕末から明治にかけての相撲の世界の話を調べたので、同じ時代の違う空気を吸えた。

 

ちなみに、ぼくは六段にアコーディオンとピアノを書き加え、さらに七段以降も書き加えた作品を2015年に作曲していて、この曲があるから、柿塚さんは、この本を紹介してくれたのだと思う。

 

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今日も、4月15日から不知火美術館で始まる展覧会『おかえりなさいシスコさん 100年前の松橋を旅する』に向けての音源編集。本日が最後で、三角小学校1年生と作った《古里の家》。ピアノと鍵盤ハーモニカを重ねてみた。アカペラで子どもたちが歌った歌が1番と2番で転調しているように聞こえるので、そんな伴奏をした。これで、8曲全部仮編集が終わった。