野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

オンラインのセッションに向けて準備中

昨年の6月に開催したノムラとジャレオとサクマの「問題行動ショー」の振り返りをしたいと言いながら、9ヶ月の月日が経った。そして、年度が変わった途端、プロデューサーの柿塚拓真さんから打診があり、オンラインで振り返りの会を催したいとのこと。本日は、ZOOMでの会議のテストも兼ねて、砂連尾理さん、佐久間新さん、柿塚さんとオンライン打ち合わせ。画面越しに、表情で遊んだり、ぬいぐるみを登場させたり、小道具を使うなど、いろいろできることもあり、それなりに面白い。ピアノとダンスのセッションも、少し試してみた。近々、オンラインで公開イベントとして計画中。

 

Facebookで、密やかに、りんごをかじる音を重ね合う合奏を、オンラインでできないか、とメンバーを募ってみたら、イギリスの友人が次々にログインパスワード教えてと言ってきた。ただ、お互いに、りんごをかじるだけ。その音が、パソコンを通して、ちゃんと再生されるのか、あんまり再生されないのかもわからないけど、アメリカに住んでいる人も、イギリスに住んでいる人も、日本に住んでいる人も、一緒に、音を出して、微妙に交わるか交わらないかの体験ができたらいいな。近くに住んでいる人も、遠くに住んでいる人も、今は、直に会えないという意味で遠くにいる。でも、一緒に、りんごを嚙るという行為を、一緒にできたら嬉しい。ちなみに、りんごを食べるという行為は、何かの象徴とかではなく、ただただ、りんごを嚙る音が好きだから。

 

ヒンデミットの本を、また少し読んでいた。ヒンデミットは作曲家だけど、もともとオーケストラの楽団員(ヴァイオリンを弾いていた)だった。そういう意味では、オーケストラの楽団員の気持ちを知っている稀有な作曲家だと思う。ぼくは、オーケストラの楽団員と一緒に数多くのワークショップを行った稀有な作曲家だと思う。ヒンデミットはベルリンで大学の先生になったのをきっかけに、より「実用音楽」、アマチュアのための音楽の作曲などに傾倒した。ナチス台頭しなかったら、ヒンデミットはさらに何か作っていたのだろうか?ぼくらが日本センチュリー交響楽団と考えたワークショップは、ヒンデミットとリンクするのだろうか?もう少し、勉強してみたい。