野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

Music for 1000 Bicycles/世界のしょうない2022

久しぶりに自宅にいられるのが嬉しい。庭の畑から大根を収穫したり、春菊を収穫する。遠征が続くと、畑仕事や家事があまりできなくなるのが残念。

 

フィリピンのキュレーターのDayang Yraolaからの委嘱で、《Music for 1000 Bicycles》というプロジェクトのために作曲することになっていて、当初12月1日〆切だったのをスケジュールがいっぱいなので、12月10日に延長してもらっていた。しかし、12月に入ってから東京、沖縄と遠征が続いて、明日から豊橋に行って、豊中経由で12月10日の深夜に帰宅となると、実質今日が〆切。昨日までの余韻に浸って、明日くらいから作曲したいんだけど、やれるところまでやって、明日以降は新幹線の中とかで作曲しよう。

 

と思って作曲に取りかかる。時間がないからと焦っても仕方がないので、一つずつ作業を始める。昨年の秋に京都で録音した鈴虫の鳴き声を聞いていたら、これで一曲作りたくなって、秋の鈴虫に合わせてピアノを録音したら、それにソプラノケンハモをトッピングして、沖縄の瓦の音をふりかけたら、曲ができた。京都と沖縄と熊本とマニラが重なり合うような、コロナの中での様々な試行錯誤を思い返すような、そんな音楽を作れて嬉しく思う。

 

12月10日に始まる『世界のしょうない音楽ワークショップ』に向けてのオンライン会議。このプロジェクトを立ち上げ運営していた柿塚さんが日本センチュリー交響楽団を退団したため、今年度は準備段階から実施できるのだろうかと不安に突き落とされることが何度もあり、それでも、柿塚さんの穴をなんとか埋めようとしてきて、ようやく本日の会議では、豊中市大阪音大、センチュリー、REKの面々の顔を見ることもでき、少し視界が晴れ、10日からのワークショップが楽しみになった。今年は、オンラインでのワークショップと、老人ホーム(淳風とよなか)での対面のワークショップをリンクさせるハイブリッド・ワークショップ。

 

昨年、リモートで創作したのがこちらで

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一昨年の対面でのワークショップの成果はこちら

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