野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

《相撲ノオト》再演

本日は、名古屋でヴィブラフォン會田瑞樹さんのコンサートがあるので、名古屋に移動。野村誠作曲の《相撲ノオト》が再演されるので、聴きに行った。世界初演の時の演奏は、YouTubeにあるが、再演にあたりペダルを踏みながら楽器を移動させる、という演奏法が加わっていて、アップデイトされていた。今後も、再演を重ねるごとに、さらに會田さんならではの演奏(土俵入り)になっていくと思わせる演奏だった。

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細川俊夫さんの編曲した《さくら》、佐原詩音さんの編曲した《われは海の子》、薮田翔一さんの編曲した《あかとんぼ》など、有名な曲が作曲家の編曲によって独特な世界になっているのが面白く、聞き応えもある。會田さんご自身の編曲による《春の海》で箏と尺八を一人で演奏するのは大変だが、箏を省略して尺八のメロディーだけをやる場面があった。ああ、ヴィブラフォンで尺八の曲を演奏するのは、面白いと思った。生の演奏を聞けたので、ヴィブラフォンという楽器について、すごく勉強になり、機会があれば、ヴィブラフォンのための作品を書いてみたいと思った。

 

名古屋で演奏会があると、戸島美喜夫先生の教え子である方にお会いすることが少なからずある。今日も、終演後、戸島先生から野村のことを聞いていた、と仰る方から、お声がけいただいた。この作品は、2020年2月、戸島先生が旅立たれた数日前に世界初演されたので、名古屋で演奏されて、戸島先生と繋がりのある方にも聞いていただき、戸島先生に聞いていただいたような気持ちにもなった。