野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

《うまれるひと うまれるひと》/世界のしょうない9年目

河野有砂さんとのプロジェクト《うまれるひと うまれるふと》は、楽譜+テキスト+写真を限定100部印刷する予定で進行中。本日、有砂さんと印刷会社を訪ねた。環境を考えての印刷を模索する会社。デザイン、紙の質感、などなど、とても良い。

 

大阪に移動。大阪音大にて、世界のしょうない音楽ワークショップの今年度の第1回。過去の8回は以下のような感じで、9回目の今年度の特色は、オンラインでも参加できるが、対面では主に弦楽器の体験ができるので、最終的に不思議な弦楽器オーケストラができあがりそう。

 

1年目(2014年度):哲学カフェとグレゴリオ聖歌Dies Irae》に基づく日本センチュリー交響楽団によるワークショップに基づき、野村が《日本センチュリー交響楽団のテーマ version2》を作曲し、サンパティオホールで発表。

2年目(2015年度):センチュリー響の西洋楽器に大阪音大の邦楽器が加わったワークショップに基づき、野村が《日本センチュリー交響楽団のテーマ version4》を作曲し、サンパティオホールで発表。

3年目(2016年度):西洋楽器と邦楽器に、さらに大阪音大からガムランシタールが加わる。「ふるさと」をテーマに中国やインドネシアやインドの故郷のイメージなども含めたワークショップに基づき、野村が《日本センチュリー交響楽団のテーマ 想家》を作曲し、サンパティオホールで発表。

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4年目(2017年度):西洋楽器、邦楽器、民族楽器に、大阪音大より古楽器ヴィオラダガンバ)が加わり、地歌越後獅子》をベースにしたワークショップに基づき、野村が《越後獅子コンチェルト》を作曲し、豊中市立文化芸術センター大ホールで発表。

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5年目(2018年度):イギリスの作曲家ブリテンとバリガムランをテーマにしたワークショップに基づき、野村が《青少年のためのバリバリ管弦楽入門》を作曲し、ローズ文化ホールで発表。

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6年目(2019年度):琵琶とのワークショップに基づき、野村が《祇園精舎の宿題の》を作曲したが、コロナのため発表会が中止。

7年目(2020年度):コロナ禍での音楽で世界をめぐったオンラインワークショップに基づき、野村が《日羅印尼中の知音》を作曲し、ローズ文化ホールで無観客発表+配信。

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8年目(2021年度):対面での箏の体験にワークショップとリモートワークショップに基づき、野村が《雪つもり 時の流れが 春をよび》(1 宮城道雄 洋楽出会う 2 菊武祥庭 洋楽に出会う)を作曲し、ローズ文化ホールで発表。

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今日のワークショップでは、

 

18:30-19:00 楽器体験

19:00-19:30 挨拶、いろいろな楽器の紹介

19:30-20:00 楽器体験+簡単なルールでの合奏

 

というような流れだった。オンライン参加者が数名で、20名以上が対面での参加だったので、オンラインの参加者が疎外感を感じないように、リモートなりの一体感の作り方が大きなチャレンジだった。センチュリー響からは、ワークショップ初体験の音楽家が4名(ヴァイオリンの池原衣美さん、廣津智香さん、田中真美さん、チェロの高橋宏明さん)いるので、そこもチャレンジ。でも、難しいなりに、なんとか一緒にやれた初回だった。次回以降への課題も色々見えた。