野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

世界の庄内音楽ワークショップ5回目

「世界のしょうない音楽祭」(2月25日@サンパティオホール)に向けての第5回目の「世界の庄内音楽ワークショップ」@大阪音大。これは、豊中市を拠点とする「日本センチュリー交響楽団」が豊中市と共催で2014年度に開始したコミュニティプログラムの3年目です。豊中市から、庄内エリアを中心に、という提案があり、地元のNPO「しょうないREK」と共同で、子どもからお年寄りまで様々な人が参加する音楽プログラムとして、進めてまいりました。ワークショップの進行は、野村が行い、そこに日本センチュリー交響楽団の楽団員も参加します。庄内には、大阪音楽大学があるので、大学との連携をと思い、同大学教授で民族音楽学者の井口淳子先生に協力を要請したところ、さらに、邦楽専攻の菊武厚詞先生や学生さんたちも昨年度から、参加して下さり、大学にある箏、三味線、尺八などを、参加者の方が演奏できるように提供もして下さっています。さらに、今年度には、シタールの田中先生、バリガムランの小林先生も加わり、すごいことになっております。一方、日本センチュリー交響楽団の方も、楽団所有のヴァイオリン、ヴィオラコントラバストロンボーンクラリネット、打楽器を参加者に演奏してもらうように、持ち込んでおります。その結果、西洋楽器、邦楽器、シタールなどが混在した60名の大オーケストラになっておりまして、その中には、地歌の「越後獅子」、ハイドンの「軍隊」、中国民謡、ムソルグスキーの「展覧会の絵」、グレゴリオ聖歌の「怒りの日」などのフレーズと、ワークショップで創作したフレーズが混在する新曲を野村が作曲したわけです。本日は、それをリハーサルしていくわけです。

当初は、もっと即興の要素の多い作品にしようと思っておりました。しかし、昨年度のワークショップで、邦楽の方々も、オーケストラの方々も、初心者の方に楽器を触るからには、ちゃんとした音を出して欲しい、いろいろ教えたい、という気持ちがあることを、当たり前ながら再認識しました。音楽家と参加者の方々が、「教える/教わる」の関係ではなく、対等に創作をする場を形成することを、当初の方向としておりましたが、「教える/教わる」の関係もありつつ、対等に創作する場も築けると思いますし、せっかく、これだけのプロの音楽家から楽器を伝授していただけるチャンスであるので、そんな感じで作曲をしてしまったわけです。

ということで、練習はハードなのですが、しかし、60名の混在した楽器での音楽が、徐々に練り上げられていく体験は、やはり他に変えがたい時間です。2時間の間に、どんどん演奏がよくなっていくのが感じられます。曲の輪郭も、どんどん明確になっていきます。あー、もっと練習したいーーー。

ということで、いよいよ次回は、2月24日、本番の前日です。

http://toyonaka.mypl.net/event/00000246214/