野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

不知火美術館から飛び出すプロジェクト

宇城市不知火美術館・図書館へ。美術館の学芸員の里村真理さんとの打ち合わせ。依頼されている内容は、美術館の外に飛び出すアウトリーチ活動であり、何らかの形で町の人と交流を持つことで、それが冬のコレクション展と何らかのリンクを持てるといいとのこと。里村さんのリクエストとしては、町の人が選んだ作品が展示されるコーナーを作りたいとのことで、それを、ぼくとのアウトリーチのワークショップの中でできないか、とのことだった。美術に興味がある人は美術館に足を運ぶ習慣があるが、そうでない人にとっては美術館に来る敷居の高さを感じてしまう。そうした敷居を取っ払い、気軽に美術館に遊びに来てもらえるためにも、こうしたプログラムを行なっていきたいとの意向。美術館の所蔵作品は、我々市民が所有している秘蔵のお宝とも言えるが、お宝は実際に活用しないと倉庫に単に眠っていて宝の持ち腐れになってしまう。

 

面白そうなので、不知火美術館の所蔵する作品(ほとんどが絵画)から、気に入った作品を町の人と選び、その絵に基づいた歌を野村とのワークショップで作詞/作曲するプランを提案。どんな「ぶっとんだ」歌や曲になってもいい。こんな鑑賞の仕方もありなんだ、と美術展の観客の人が思えるような感じで良い。その曲のカラオケを野村が自宅で録音し、次週には町の人の歌声などを録音し、展覧会会場で流す。場合によっては、クイズ形式にして、この曲はどの絵の音楽でしょうか、と出題して考えてもらってもいい。不知火美術館には450点ほどの収蔵作品があり、全部で50人の作家の作品を所蔵しているらしい。改めて美術館の空間を見せていただきながら、町の人と選んだ作品や楽曲などを、どんな展示にできるか、と考える。