野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

不知火美術館・図書館オープン

不知火美術館・図書館が本日よりリニューアルオープン。本日は、美術館の片隅でアーティストKOSUGE1-16の土谷享さんのトークを拝聴。自宅から自転車で行ける距離で展覧会があり、アーティストのトークに参加できるのはありがたい。

 

不知火美術館・図書館と併記された名称に変更になったが、どうしてだろう?その理由はわからないが、ウェブ上のニュース記事などを見ると、なるほどと思った。例えば、テレビ熊本のニュースでは、

news.yahoo.co.jp

 

見出しに「不知火美術館・図書館」と入っているのに、美術館に関する情報はゼロ。カフェスペースについてまで伝えているのに、美術館を完全に無視。NHKだったら、きちんと報じているのかなと思いきや、

 

www3.nhk.or.jp

 

やはり、見出しに「不知火美術館・図書館」と入っているのに、美術館を完全に無視。さらに酷いのが、RKK熊本放送のニュースでは、

 

news.yahoo.co.jp

美術館に関するコメントがゼロである上に、「こども絵本の家」に関する説明の最中に、KOSUGE1-16の作品の映像が一瞬流れ、「親子で楽しめるスペースとなっています」と報道。これでは、まるでKOSUGE1-16の作品が美術館にあるのではなく、こども絵本の家にあると誤解してしまう。

 

報道関係者がこうまで露骨に美術館は省く報道をすることに驚く。この辺の事情まで考慮して、施設名を「不知火美術館・図書館」と併記する名称に変更したのだとしたら、すごい策だと思う。どのニュースの見出しにも、美術館の名前は入ったから。それにしても、美術ってこんなに露骨に排除されるものだったのか、と悲しくなる。

 

なので、ぼくは不知火美術館・図書館で、ニュースに取り上げられなかった美術館のことを中心に報告したい。今回のリニューアルで、蔦屋書店を運営するCCCという会社が不知火美術館・図書館の指定管理に入った。入口を入って右側に、カフェ(スタバ)と図書館があり、左側に美術館がある。リニューアル前に行った時は、右側が図書館で左側が美術館で、図書館が企画した展示が図書館と美術館の境界くらいにはみ出していて、ぼくは最初、それは美術館の展示だと勘違いした。つまり、図書館と美術館の境界があやふやだった。今は、図書館に入るためには、必ずカフェを通過しなければ入れず、図書館と美術館の間に、カフェというクッションが挟まれた。そして、子どもの絵本などは、別棟の「こども絵本の家」に移された。

 

美術館が全く閑散としていたわけではなく、美術館も賑わっていたのだが、それでも上記のような報道がある。そして、地理的に、図書館、こども絵本の家、と美術館は、ほんの十数メートルだが、離れてしまった。ぼくは、この距離が気になった。というのも、今はディスタンスの時代だからだ。三密を避けることを推奨される時代。でも、ぼくは色々な人が混じり合うことが好きなんだと思う。KOSUGE1-16の展示の魅力が口コミで広がり、2ヶ月展示が続いていく間に、少しずつその距離感が変わっていったらいいな、と願う。

 

近所にベトナム食材店もオープンした。ベトナム語ばかりが聞こえる。店には食材が並ぶが、同じくらいのスペースを卓球台が占めている。「お客さんが楽しいいでしょ」とお店の人(おそらくベトナム人)。レシートはほとんどベトナム語ばかりで何が書いてあるか分からない。

 

夜は、土谷さんと里村さんと語り合った。昼間のトークも面白かったが、夜の自由なトークでの土谷さんは、本当に面白かった。