野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

Chor Guanお絵描き指揮/竹はB-Am-B-oo

9月12日に開催の『アジアだじゃれ音Line音楽祭』まで、2週間ちょっとになった。結構、大詰め。狭い意味での「作曲家」という概念には全く収まらない独自な音楽活動を展開している東南アジアの3人のアーティストの仕事を紹介するのが第1部。インタビュー(既に収録済)と、新作コラボレーションを通して紹介する。以下のようなプログラム *だじゃ研(=だじゃれ音楽研究会)

 

第1部 (15:00-16:30)

Anant Narkkong(タイ)インタビュー

Anant Narkkong x だじゃ研《ニューミュージック》

Anant Narkkong x だじゃ研《Bamboo Forest》

 

Memet Chairul Slamet(インドネシア)インタビュー

Memet Chairul Slamet 《火の音楽》

Memet Chairul Slamet x だじゃ研 《火の音楽REMIX》

 

Ng Chor Guan(マレーシア)インタビュー

Ng Chor Guan x だじゃ研 《Painting Conductor》

Ng Chor Guan x 佐久間新 x 野村誠 インプロヴィゼーション

 

今日は、だじゃ研のメンバーとチョーグゥワンで《Painting Conductor》のリハーサル。チョーグゥワンが画面上に描く絵が指揮になっていて、結構、細かいルールがある。1時間みっちりやって、チョーグゥワンもだじゃ研と仲良くなってきている。

 

続いて、アナンの《Bamboo Forest》で、これは、ヨードが竹で作った楽器を演奏する虫のオブジェの映像に合わせて演奏する。Bambooを、B-Am-B-ooと分解して、B, Am, Bという3つのコードを演奏したり、竹の楽器を各自が持ち寄ったりした。ForestはFo-Restと分解できるので、Rest(休み)が必要。Forestは、For-Restだったり、Four-Restとなるので、休むために4つのグループに分けたりしたら、場面も変化して面白くなった。アナンはどんどんメンバーの意見を汲み取りながら作っていく。共同作業に慣れている人だ。

 

東南アジアのアーティストと春から定期的にリモートで交流して、この半年で色々深めてこれた。コロナは早く終わって欲しいけれども、コロナで通常の活動ができなくなった結果、こうやってタイやマレーシアと気軽に集まって音楽を試行錯誤できるようになった。昨年実現するはずだった《千住の1010人 in 2020年》が中止になったこと、数年間かけて丁寧に準備して、ようやく実現という直前で開催を諦めた悔しさを跳ね返し、今の状況で最大限楽しめることをやっていくチャンスと思って、だじゃ研とリモートでの音楽を追求しまくった。それが、着実に花開いている実感。9月12日をゴールのつもりで、今は突っ走っているんだけれども、9月12日は序章に過ぎないんだよ、きっと。その先に、いろいろ待ってる予感。どんな展開が待ってるのか、具体的にはわかんないけど、2020年代を振り返る時には、転機として語ることになるんだろうなぁ。なんてことを思ったのは、夜に、ウェブサイトのリニューアルに向けて、里村さんと野村誠年表を編集する作業をしたからかなぁ。年表の編集、全然終わらないけれども、バラバラなように見えるぼくの活動も、いろいろな線で繋がっているのが見えてくる。