野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

草柳和之さん/たいようオルガン上書き中

カウンセラーの草柳和之さんと、ピアニストの清水さん、藤森さんとの打ち合わせ。草柳さんは、DV問題に長年関わっておられ、野村は20年前に初めてお会いし、DVに関するピアノ曲の作曲の委嘱を受けた。それが《DVがなくなる日のためのインテルメッツォ(間奏曲)》というピアノ曲になり、その曲の楽譜を草柳さんが自費出版されて、その後、CDに収録されたり、様々な編曲がされたり、ダンスになったり、様々な展開があった。草柳さんは、さらに、「DVカルタ」というカルタを作って販売し、そのカルタを歌詞とした歌曲の委嘱を受けて、ぼくは歌曲《DV撲滅ソング DVカルタを歌にした》を作曲した。その後、草柳さんは、パープルリボンコンサートという暴力に反対する企画を続けておられる。今日は、そこからさらに発展した次の企画の話。この世界に様々なストレスがあり、様々な衝突があり、暴力があり、数々の痛みがある。本当に、それに対して何ができるか、考えると心が重くなってしまう。そんな中で、草柳さんという非常にユニークな人が、重く考え込んだり悩んだりするだけでなく、音楽の可能性を信じてアクションを起こす。ぼくは、音楽で少しでも貢献することができるならば、と関わっているのと、この独特な人の編み出すプロジェクト自体が面白いと思っている。まもなく、情報が公開できるようになる見込み。

 

荒井良二さんの絵本《たいようオルガン》の作曲、少しずつ、少しずつ進めている。絵の上から絵の具を重ね塗ったり、その上に切り絵を貼っていくように、少しずつ重ねていって、元の曲がだんだん下地になってなくなっていく。でも、それでいいんだ。また、少しずつ上書き中。最終的にどんな曲になっていくのか、楽しみだなぁ。