野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

2020年を作曲する『世界だじゃれ音Line音楽祭』の動画公開/河井寛次郎/Janeとのトーク

今年度の「千住の1010人 from 2020年」の活動の記録映像というか、短編映画作品「2020年を作曲する 世界だじゃれ音Line音楽祭」が完成して本日公開になった。映画監督の甲斐田祐輔さんの渾身の10分10秒。この1年を、ぼくたちがどんな風に生きてきたかを、こうやって提示できたことを嬉しく思う。音まちの事務局チームが長年準備して、様々な交渉をしまくって、いよいよ実現すると思った「千住の1010人 in 2020年」がコロナで実現しなかった。それは非常に悔しい思いではあったけれども、準備していく過程で経験したことは全く無駄になったのではなく、そこで築いた関係だったり経験は確かにあり、それを支えに、今年度大きく方針転換してこの映画ができた。この映画は、来年度以降活動していくための大きな基盤になる。いろんなものが凝縮されている。

 

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ポーランド語と日本語のエクスチェンジをしているミハウと里村さんと河井寛次郎記念館に行く。この記念館に来るのも、いつ以来だろうか?民芸運動でも知られる陶芸家の家と工房を久しぶりに満喫。ミハウが、「河合」と「かわいい」の発音の区別に困っていたが、河井寛次郎の作品はかわいいので、可愛い寛次郎かもしれない。

 

スコットランドのJane Bentleyと吉野さつきさんとのオンライントークイベント。ジェーンはパーカッショニストで、認知症の人との音楽セッションを病院などで行なっていたりする。本当は1年前に、愛知県の岡崎、豊橋、豊川などでプロジェクトを一緒にする予定だったが、コロナで延期になり、1年経って、まだ実現していなくて、今年の夏の実現に向けて、プレイベント。この1年、どんな風に過ごしていたかについて、ジェーンが音楽家でありながら、病院の中でプロジェクトをしている関係で、医療関係者として既にワクチンを接種した話や、認知症の人とのワークショップをi-padを通してした話など、色々興味深い。また、ぼくの活動として、「四股1000」や「世界だじゃれ音Line音楽祭」、そして「世界のしょうない音楽祭」の話などをした。質疑応答の中で、病院の院長が、コロナ以降、一度も電車に乗っていないし、家族以外と一度も会食もしていない、という話を聞いた時、ひょっとすると病院で音楽のプロジェクトをすることは、患者の方々にとってのみならず医療従事者にとっても、精神的に大きなことなのかも、とも思った。