野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

世界のしょうない音楽2018始動

京都に戻っております。

明後日、東京でピアノのコンサートをするので、自宅にいられる時は、ピアノをいっぱい弾いて練習するチャンスなので、ピアノを弾きまくる一日。

でも、自宅にいると相撲関連の本などに目を通すチャンスなので、パラパラと斜め読みをする。「能楽源流考」をめくると、「新猿楽記」の中の伏見稲荷の稲荷祭の様子(賤民猿楽の芸態)に関して、

田楽、傀儡子、唐術、品玉、輪鼓、八玉、独相撲(ひとりずもう)、独双六、無骨有骨延動、‥

と書いてあって、「ひとりずもう」が猿楽の中に入っている。能のもとをたどっていくと、ひとりずもうが出てくるのだから、本当に面白い。

急に思い立って、「友へ Music for a friend」というピアノ曲を作曲。

夕方、大阪音大に出発。「世界のしょうない音楽ワークショップ」の第1回。日本センチュリー交響楽団豊中市NPOのしょうないREKで始めたワークショップ。2年目からは、大阪音大の先生方が協力して下さり、ハイブリッドなワールド・ミュージックの場になってきている。

今年も50人近い参加者。日本センチュリー交響楽団からはヴァイオリンの小川さん、ヴィオラの森さん、チェロの末永さん。大阪音大からは音楽学の井口先生、邦楽の菊武先生、インド音楽の田中先生、バリガムランの小林先生、古楽の上田先生。体験できる楽器が、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、尺八、箏、三味線、シタールガムランヴィオラ・ダ・ガンバ、様々な打楽器。これだけの楽器で音楽を創作しようというプロジェクト。映像の山城大督さんが撮影に来ている。

最初に、森さん(ヴィオラ)+菊武先生(十七絃)で、「春の海」の演奏披露。既に邦楽とクラシック音楽が融合した導入。続いて、田中先生作曲で中国でも演奏したシタールガムラン+箏+ピアノの「楽園の彼方に」を演奏。

その後、野村によるワークショップ開始。みんなで歌ったり、手拍子したり、口笛吹いたりして後、自由に色々な楽器を触ってもらう。

その後、色んな楽器の紹介をして後、全員での大合奏。「せーの」とやりながら、色々展開。知っている曲のメロディーを頭の中で思い描きながら演奏するオーケストラも体験。初日からいい感じ。

その後、映像の山城さん、井口先生、センチュリー響マネージャーの柿塚さんと打ち合わせ。山城さん曰く、「音楽解放運動」とのこと。音楽をトレーニングとか技術の場から解き放ち、各自が表現を楽しむ場であったことは確かかもしれません。今年もよろしくーーーー。