野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

composite by the numbers

キュレーターのDayang Yraolaとは、京都で出会い、その後、マニラと香港で再会した。彼女から《Composite by the Numbers》というプロジェクトに誘われたのが数ヶ月前のこと。コロナ禍で通常の展覧会などができない中、ウェブ上での展覧会/コンサートをキュレーションしたいが参加しないか、との打診だった。海外に行けない現状で、こうした打診には可能な限り応じたいと思っていたので、快諾した。

 

《Composite by the Numbers》は、新型コロナウイルス禍での様々なデータが示す数字を使っての楽譜、それを演奏する動画によるオンライン上の展覧会だ。8カ国から20人のアーティストが参加している。8月から2月まで半年に渡り、何人かずつの新作がウェブ上で公開になる。野村作品は10月〆切の11月公開の予定なので、そろそろ作曲に着手しようと思う。とりあえず、8月に公開になった作品はどんなものなのだろう?

とりあえず、ウェブサイトに行ってみる。

 

https://compositebythenumbers.com/

 

Chris Brown, Teresa Barozzo, Pauline Despi の3人が新作をあげていて、3人とも全然違うアプローチの動画があがっていたが、Chris Brownのそれぞれのプレイヤーが違う土地のデータを見ながらウォーターゴング(ゴングを水に沈める)の演奏をしているのが、シンプルだけれども面白かった。

 

そろそろ、色々なデータを集めて、それを音楽に変換していく作業をしてみようと思う。音に変換することで、パンデミックについて違った理解ができるかもしれないので、自分なりにデータに向き合ってみようと思う。

 

今朝、「四股1000」で念仏風のカウントをした。JACSHAでの9月28日から始まる城崎国際アートセンターでのレジデンスに向けて、直前にPCR検査を義務付けられたので、PCR検査の予約をしなければならず、日が迫ってきているので、本日、なんとか予約まで完了。

 

イギリスのEmma WeltonがExeterでやっているファミリーオーケストラは、毎月集まって、楽器で即興をしたり、曲を作ったりしている活動だ。しかし、コロナ禍で集まることができなくなり、今は、各自でsound walkをしてシェアする活動に切り替えている。sound walkは、散歩をしてそこで出会った音を録音したり、サウンドマップを作ったり、イラストを描いたりする感じのようだが、その行為をエマは作曲と呼ぶようだ。どんな道をどんな風に歩き、どんな音と出会うかが作曲。エマは日本でsound walkをするパートナーを、里村真理さんと野村に頼んできた。里村さんが主にイラスト担当。野村が主に録音担当で、近所を歩いてみた。秋の虫の均等なビート。雨上がりに船岡山から流れてくるマンホールの下の水の流れが、場所によって違う。ちょっと前までは、セミが賑やかだったけれども、あまりに暑くて録音しないうちに秋になっちゃったなぁ。

 

 

http://emmawelton.net/2020/06/22/new-exeter-sound-walks/