野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

The '70s Bi-weekly

城崎国際アートセンターの吉田さん、橋本さんと、JACSHA制作の里村さんとオンライン打ち合わせ。JACSHA(日本相撲聞芸術作曲家協議会)で9月28日ー10月12日のアーティスト・イン・レジデンスをする。「オペラ双葉山 竹野の段」を制作することになっていて、その映像記録の件。アートセンターでは、滞在制作でアーティストたちが、悩んだり、試行錯誤する。完成する前のクリエーションの途中の面白さや醍醐味を、どうやって開いていけるのか。そんな話から、公演の記録映像も大切だけれども、創作過程を映像化することにも、とても価値があると、いうような話もした。

 

新型コロナウイルスに、石鹸で手洗いが効果的ということは、シャボン玉を飛ばしまくると、殺菌/消毒効果って抜群なのだろうか?例えば、野外でシャボン玉が飛びまくっているところで演奏すると、感染のリスクが大幅に減るのだろうか?もしそうならば、パフォーマンスとしても、消毒効果としても、ショボン玉は有効かもしれない。

 

歌や声を出す時に、ウイルスの飛散を防ぐ特殊な形状のメガフォンみたいなものは考えられないだろうか?感染のリスクを減らすと同時に、そのことで声の音色を独特なものに変える効果も得られないか?

 

とりあえず、ウイルス対策でやらなければいけないことを、パフォーマンスの中にどれだけ取り込んでいけるか、可能性をいろいろ考えてみたい。

 

香港のモックさんが、1970年に創刊した伝説の雑誌《The '70s Bi-weekly》に関する記事が出たそうで、モックさんが教えてくれた。創刊50周年。70年代、モックさんたち20代の若者たちが作った左翼マガジン。

www.thenation.com

きっと50年前だから雑誌というメディアだったのだろう。今の20代の人々が発信していくのだったら、きっと別の媒体になると思う。こうして、20代の若者たちが香港を変えていこうと自分たちのメディアで発信した。読んだことないけれども、きっとトンがった面白い雑誌だったに違いない。モックさんは、その後も、演劇をやったり、パフォーマンスをやったり、プロデュースをしたり、色々なことを企て続けてきたのだと思う。「左翼」という言葉、今ではあまり聞かなくなったけれども、ある意味、モックさんは左翼のカッコよさを失わない稀有な人だ。時代がどう変化しようと、明日起こる革命に備えて今日を生きる。どうしてモックさんは、カッコいいのだろう?どうしてモックさんは、革命を信じられるのだろう?モックさんが言うように、革命は明日起きるのだ。しかし、問題は革命後の世界に対応するための準備ができているかどうかだ。だから、ぼくたちは革命後の世界に対応できるように、準備しなければいけない。世界は、ガラガラと音を立てて、一気に変わっていくのだから。

 

モックさんのための作曲を、そろそろやろう。