野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

「第4回だじゃれ音楽研究大会」オンライン開催

5月31日に、「第4回だじゃれ音楽研究大会」をオンライン開催することが、情報公開になった。本番の数日前に情報が公開になるなんて、ある意味、夢のような世界だ。今までは、何ヶ月も前に公開になっていたし、何ヶ月も前から準備していた。今は、来週や再来週にやるかもしれないし、やれないかもしれない予定が水面下で動いている。それが、突然、直前に情報が開示される。こちらは、イベントが開催されるか延期されるか、両方の可能性を踏まえた上で調整する。野球のピッチャーが先発するつもりで準備していても、雨天で試合中止だったら、別の日にスライド登板になったりすることが、少しだけ体感できている気がする。

 

2011年に、野村誠「千住だじゃれ音楽祭」を始めた。当初は、2012年度に、足立区80周年を祝して開催する音楽祭として企図した。ところが、80周年を祝する「音まち千住の大団縁」が大成功に終わり、スタッフも参加者もかなりの達成感を得た。これ以上のことはできるのか?と思われるだけの達成感だったのだが、そこで終わらずに継続した。

 

インドネシアやタイからゲストを招き、2014年には、「千住の1010人」を開催した。1010人で演奏するとんでもないイベントを敢行し、奇跡的に大成功した。ここまでやると、この先があるのか?と思われた。ところが、やはりその先があった。このイベントをきっかけに、「だじゃれ音楽研究会(だじゃ研)」が、以前よりも断然機能するようになってきた。タイやインドネシアへの国際交流でも活躍するし、野村がいなくてもイベントに出演したり、テレビに出たり、野村が主導する必要はなく、どんどん企画が動いてくれる夢のような状況が実現した。ワークショップの参加者だったはずが、だじゃ研のメンバーはいつの間にか様々なワークショップを行えるようになっていた。

 

石橋鼓太郎論文にも取り上げられる魅力的人材が集まる市民グループ「だじゃ研」。これを活かさない手はない。2017年度から「だじゃれ音楽研究大会」を開始した。一人ひとりの担当する枠は、短い時間だが、それぞれが濃密で個性的で面白いプログラムが目白押しになった。10年続けてきた成果だ。

 

ということで、5月31日に向けて、だじゃ研の多様で個性的なメンバーたちから、ネタが集まってきている。これを、一気に紹介する前半。中盤では、タイのアナン、インドネシアのメメット から送られてくる新作動画も、それぞれ初公開。最後は、佐久間新さんも加わり、だじゃ研、アナン、メメット も交えたオンライン上の即興セッション、という3部構成。どうなるか、本当にワクワク。詳細は、こちらをご覧ください。

 

aaa-senju.com

本日の四股1000回の際に、ぼくは、八角楯右衛門の「待った」の発明に関する原稿を読んだ。相撲の立ち合いは、本来は現在のようなものではなかったが、谷風にどうしても勝ちたかった八角が、相手をじらすために「待った」を連発し、油断した一瞬の隙をついて勝利。呼吸を合わせる立ち合いは、神聖な儀式などの理由から生まれたのではなく、実は勝利への執着から編み出された結果生まれたのだ。

 

こんな論文を見つけた。「大相撲における立ち合いの文化論 ー同調と競争の統合」。面白い。

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsss1993/9/0/9_0_37/_pdf

 

同じ著者の別の論文で、「大相撲の文化性を問う ー祝祭からスポーツへ」

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsss/24/2/24_02-03/_pdf/-char/ja

 

この人、九州大学の教授のようだ。ソーシャルアートラボとは、つながりないのかなぁ?

 

五島昭彦さんからマイクが届き、ZOOM配信用のサウンドチェックをする。今までよりも、いい音環境で配信できるようになりそう。少しずつ研究中。