野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ながらの座・座という実験場

6月に、ながらの座・座で、2年前に開催した「徹夜の音楽会」の続編を開催する。そこで多彩なゲストの一人、美術家の井上信太くん、制作の里村真理さんと、大津のながらの座・座に下見/打ち合わせに行く。座・座のオーナーの橋本敏子さんと、この古庭園を眺めながらお茶を飲みながらの打ち合わせ。こんな日本庭園が自宅にあるのが素晴らしい。時事刻々と微妙に変わっていく光や音。なんて味わい深いのだろう。ここで、のんびりと語り合っている時間が、本当に贅沢。

 

いろいろなアイディアが出続ける。続いて、巨大な床の間を見ながら、様々な掛け軸を味わいながら、8畳と12畳の間の空間について、様々な思いを巡らせる。6月21日は夏至夏至と徹夜について。人々の交流について。語り合う。

 

井上信太くんと出会ったのが1990年なので、30年前。1991年に、信太くんと杉岡正章鶴くんと保育園で参加型パフォーマンスを行ったのが、ぼくらのコラボの原点だ。その話は、東京大学出版会から出ている「子どもたちの想像力を育む」という本に書いたけれども、いまだに忘れられない体験だ。2002年に京都芸術センターで二人でワークショップをした。芸術センターの講堂が、ワークショップの間に巨大な迷路になった。新聞紙と針金で超長いトンネルが作られて、その真っ暗なトンネルの中にライトを仕込み、ワークショップは狂乱のパフォーマンスになった。これも、伝説の1日になった。今度は、どんな伝説の夜になるのだろうなぁ。焼き物もやることになるかもしれないなぁ。重要文化財の古民家と古庭園であるにも関わらず、ここでは自由にアートの実験をすることができる。

 

帰宅後は、深夜の校正作業。