野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

山下残くんは東南アジア

今日は、ダンサーの山下残くんと美術家の井上信太くんが、来ました。林加奈ちゃんのめくるめく紙芝居の打ち合わせらしい。
山下残くんは、作曲家の樅山智子さんに、「船乗りたち」という作品の作り方の説明をしたら、「東南アジアの音楽のやり方と似てる」と言われたそうです。どちらも、要所、要所で合わせることろがあって、その間が即興でつながれているという点でらしい。この二つを似てると考えるところがユニークだなぁ。
残くんは、2月28日ー3月2日に京都芸術センターで「It is written there」の公演があります。彼の振付・演出。これは、観客に100ページから成る本が配られ、その本の各ページには振付となる言葉が書かれていて、観客全員が本をめくりながら見るダンス公演です。音楽なら楽譜を見ながら音楽を聴くことはあります。だって、目で楽譜を読み、耳で音楽を聴く、わけで。でも、ダンスでこれをやると、目でダンス譜を見て、目でダンスも見る。これは大変です。でも、観客全員が一斉に本をめくりながら進む公演です。そして、公演の後、家に帰ったら、観客は本を見て、公演を頭の中で思い出す。そこでも(観客の脳内では)ダンスは続いているわけです。

信太くんは林加奈の才能を、ベタほめしていました。彼女はすごく溢れんばかりの才能を自分ひとりで抱え込めなくなっているものを、他者と分かち合いたいのです。だから、その才能をさらにさらに引き出すようなコラボが起こり、彼女が大きく変化をとげる2008年の展望を、語り合いました。応援しています。

で、野村誠の展望は、野村誠野村誠らしく、ちゃんと狂っていること、それを大切にしていきたい。