野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

パラサイト 半地下の家族

明日から東京遠征だが、本日は休日。美術展などに出かけようと思ったが、急に思いついて、家の片付けなどが少し進展し、引越しの段ボールが消滅し、棚が移動し、家の快適度が増す。BGMにポーランドクラクフのクレズマーバンドが演奏するジョン・ゾーンのCDをかけると、アコーディオンの音色が鳴り響く。ああ、今、作曲中の「Beethoven 250」は、アコーディオンとピアノの曲だったなぁ。アコーディオンの魅力をいろいろ再確認。ベートーヴェンが生まれたのは、1770年だが、ベートーヴェンが死んだのが1827年デミアンアコーディオンの特許を申請したのが1829年らしいので、ベートーヴェンが亡くなった直後に、アコーディオンが誕生した。その後、アコーディオンは、ヨーロッパ各地に広がっていくし、コンサルティーナ、バンドネオンなど、様々な楽器も生まれ、20世紀になると、鍵盤ハーモニカという類似楽器も誕生する。ベートーヴェンが生きているうちに、アコーディオンが誕生していたら、ベートーヴェンアコーディオンのためにどんな音楽を作曲しただろう?

 

そうこうしているうちに夜になり、美術展に行く方針を変更し映画を見に行く。韓国映画、「パラサイト 半地下の家族」を見た。富裕層と貧困層という非常にわかりやすいテーマで展開するコメディで楽しく見て油断しているうちに、深みに引きずり込まれていく。しかも、色々なドラマが、驚くべきほどテンポよくあっさりと進んでいくのが、独特。登場人物の背景や文脈も、最小限にしか説明されずに、どんどん進んでいく。その展開を受け入れて最後まで見た。映画で描かれている半地下の家族が、信じられないほど仲が良いのも印象的。そして、無計画と計画についての面白い対比の言葉もあった。ぼく自身、計画しないで即興で行動することが大好きである無計画大好き人間であり、と同時に、計画することが大好きな計画人間でもある。そして、計画を変更することも多々ある変更人間でもある。

 

明日から東京。いよいよ「千住の1010人 in 2020年」に向けての説明会。1010人という多くの人を巻き込んでの催しなので、無計画ではなく、多くの計画をして臨む。と同時に、現場で変更しながら調整できる柔軟さをどのように作れるか、を大切にしたい。

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