野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

初対面の旧友、芦川聡へのオマージュ

佐久間新さんの紹介で、民族音楽学者のマルサナに会う。25年ほど前に、佐久間さんがジャワに留学していた頃に、ジャワに留学していた人。佐久間さんのインドネシアネットワークは、世界に広がっている。マルサナは、インドネシアにおけるキリスト教音楽の研究などもしている。ガムラングループで、インドネシアの作曲家マイケル・アスモロの作品を「ワルシャワの秋現代音楽祭」で演奏したこともある。そして、イギリスのダラム大学に交換留学した際にガムランをやり、アメリカのウェスリアン大学で博士号を取得。そこでもガムランなどをする。故人となってしまった箏曲家の水谷隆子さんと同じ時期にウェスリアンにいたようで、水谷隆子の話になると涙ぐんでいた。佐久間さんの話、ガムランの話、いろいろ語り、あっという間に時間が過ぎた。初対面なのに懐かしい友人に会ったかのよう。

 

午後は、Dizzy Dizzy Studioでレコーディング。オーボエのセバスチャン、サックスのアリーナ、ドラムのアルベルト、そして、ぼくがピアノ。即興を録音してのち、アリーナの「Autumn Phase」、アルベルトの「Map of 10 Improvisations」を録音。その後、野村がオーボエパートを追加作曲して、「相撲聞序曲(ポーランド版+オーボエ)」をレコーディングし、「Casa Mozart, summer 2019」も録音。これで全部終わりと、アリーナ、セバスチャンは帰るが、ぼくはアルベルトと二人で即興を録音した。これは、ある意味、二人での芦川聡へのオマージュ。ピアノとドラムの非常にストイックなアンビエント即興。ぼくがこうしたスタイルで即興するのも、かなり珍しいと思うが、非常に心地よく演奏できた。こうした演奏ができて嬉しい。