野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ゲキジョウ実験!!!「銀河鉄道の夜→」→→→→→

ゲキジョウ実験!!!「銀河鉄道の夜→」の初日、2公演を無事開催。150名ほどの全出演者が勢ぞろいしたのも本番が初めて。ゲネプロの後、本番までの間のお弁当の最中の会話から、さらに舞台美術が増えていったので、本番になって初めて登場したものもある。初日の2公演が終わった後にも、まだまだ衣装を作り足している人もいる。こうして、永遠に実験が続いていくような気がする。人生も永遠に続いていくような気もする。でも、人生には、死という終着点があるし、プロジェクトにも終わりがある。逆に終わりがあるからこそ、そこに向かって頑張れるところもある。明日で全てが終わるからこそ、今日のこの時間に全力を注いで頑張れるのかもしれない。

 

参加メンバーの中には、夢だったら覚めないで欲しい、と言った人もいる。ぼくたちは、宮沢賢治の描いた幻想世界、夢の世界と現実の世界を行き来しながら、今を生きている。今を生きていることができるのは、いつか死ぬという終わりがあるからだ。終わりが来ることは悲しいことでもあるかもしれないが、でも、幸せなことでもある。でも、この本当に規模も大きく、たくさんの人々を巻き込み、ちょっと油断すると大事故になるかもしれない神経を使う場であり、本当に楽しく面白く、美しくおかしい現場が、明日には終わりを迎えることは、寂しくもある。だから、ジョバンニはカンパネルラに、「どこまでもどこまでも一緒に行こう。」と言うけれども、どこまでも一緒に行くことは叶わない。でも、だからこそ、残りの2公演の時間で終わってしまう幻想の世界を、精一杯生きたいと思う。

 

13年前に取手で一緒にプロジェクトをした小学生は、大学生になって、13年ぶりの共演が実現した。本日、ぼくが知る限りでも、取手からも、福岡からも、三重からも、スコットランドからも、鳥取に観に来てくれた人がいた。有難いなぁ。

 

明日も前売りチケット完売のようですが、当日券が若干枚出る可能性はあり。