野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

鈴木潤とオーケストラ研究

日本センチュリー交響楽団の楽団員のためのワークショップファシリテーション講座1日目。講師は、野村誠鈴木潤。今までの6年間のオーケストラのコミュニティプログラムを総括し、さらにオーケストラプレイヤーのためのワークショップガイドを今年度中につくる予定。

 

5時間に渡って、ワークショップを巡って、導入の仕方から、環境(窓があるかないか、とか。部屋の残響をカーテンなどで調整するとか)、音楽ゲーム、人との関わり方の色々、楽器の使い方などを経て、潤さんによるジャズのハーモニーのレクチャー。純正律に近い響きで長い音が出る楽器のクラシック音楽家のピッチ感覚と、平均律で音が短いポップスのキーボーディストの感覚で、和音の感覚は随分違い、そこを確認できたことは、今日の大きな収穫だったかもしれない。それにしても、オーケストラ奏者たちは、即興をしても、ジャズをしても、楽器の音色と響きが見事に美しい。この美しさこそ、オーケストラ奏者の持ち味だなぁ、とつくづく思う。

 

その後、2時間に渡る編集会議の後、明日の講座に向けて、潤さん、柿塚さんと濃密なミーティング。

 

10月11日に、野村誠作曲の邦楽曲(十七絃箏二重奏のための)「つみき」が東京オペラシティで演奏される。演奏する河原抄子さん、福永千恵子さんから、リハーサルの録音が送られてきた。16年前に作曲した曲が相変わらず再演され続けていて、ありがたい。そして、15枚の楽譜をどの順番に演奏してもいい曲なので、再演のために新たな発見があって面白い。今回も、素晴らしい。聴きに行けないのが本当に残念。