横浜での滞在も終わる。
ぼくの51歳も4日目。作曲は、世界を聞くこと。世界と共鳴すること。新しい耳を開き、音と音を紡ぐこと。
京都に戻る。明日、鈴木潤さんと、日本センチュリー交響楽団の楽団員のための講座をやる。そのためのレジュメを作成。
フィリピンの作曲家ホセ・マセダは、1970年代、マルコス独裁政権から資金援助を受けて、活動をしていた。ラジオ局20局を巻き込んだり、大規模な活動が行えたのも、そのためもある。しかし、彼の「カセット100」を2年前にマニラで体験した時、国家権力の庇護の下で、実は民主主義を訴えるデモだったのでは、と思った。集会が禁止される戒厳令下のフィリピンで、国家権力からお金を得て、自分が聞きたい音響を成立させるためだけに、人々が集う音楽を企てたのか。それとも別の野望があったのか。公金を使って行うアート活動について、亡きホセに聞いてみたくなった。