野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

かわら美術館へ

さいたま滞在を終えて、京都に戻る帰り道、名古屋で途中下車し、高浜市のかわら美術館を訪ねる。日本最大の瓦産地の高浜市。日本三大瓦の三州瓦として知られる。淡路島で淡路瓦で、「瓦の音楽」を2013年から探求してきたが、初めて、高浜を訪ねる。

 

淡路島で何度もお世話になった鬼師「鬼忠」の川崎さんが、今は高浜在住のようで、かわら美術館の方にそのことを言うと、すぐに川崎さんが飛んできて、打ち合わせに加わってくださる。嬉しい再会。

 

Onitada.com

 

建築の近代化によって、少しずつ姿を消し始めている。店をたたんだ瓦の工場や職人が、たくさんある中、高浜は、かわら美術館をつくり、瓦で市の特色をアピールしようとしてきて、様々な試みをしてきた。鬼道と呼ばれる瓦を楽しみながらウォーキングできる散策コースもある。美術館には、中国の紀元前の古い瓦なども展示してある。

 

屋根に瓦をのせるのは、ヨーロッパもアジアも、いろいろな国である。しかし、日本ほど、屋根の部位によって様々に瓦の形状を変えるのは非常に珍しく、そのため和瓦の種類は非常に多様で、その結果、様々な音色の瓦があり、音の種類が多用であるため、瓦の音楽が最も発展しやすい環境にあるのが、日本だ。

 

さらに、淡路島は1000度ほどで焼いているが、高浜は1200度ほどで焼いているので、おそらく淡路よりも音が高いに違いない。すると、淡路瓦と三州瓦を組み合わせれば、瓦の音楽の可能性はさらに広がるに違いない。ということで、近々、高浜でコンサートをすることになりそうだ。大変嬉しい。

 

そして、久しぶりに京都に戻る。旅のお共に持っていた「CHANGING THE SYSTEM: MUSIC OF CHRISTIAN WOLFF」を読了。音楽と政治。プロ音楽家だけでなくアマチュア楽家や非音楽家が参加する音楽。作曲家や指揮者が支配するのではない開かれた音楽。クリスチャン・ウォルフという作曲家が試行錯誤してきたことを、本を読みながら、いろいろ考えた。

 

帰宅後、門限ズの会議。11月2日/3日のゲキジョウ実験!!!「銀河鉄道の夜→」の構成と今後のリハーサルの進行についての2時間半の打ち合わせ。