野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

パニョトを想う

自宅にて、相変わらず、ピアノの練習。楽器というのは、練習しても、すぐには弾けるようにならない。でも、少しの練習を、ちょっとずつでも積み重ねていくと、いつの間にか指が覚えて弾けるようになったりする。だから、時間を見つけたら、少しずつ練習する。あんまり長時間は、練習しないので、トイレに行くくらいの頻度でピアノに行って、トイレにいるくらいの時間、楽器に向かっていたりする。多分、1日にピアノに向かう回数は、20ー30回くらいだろう。本当に断続的だ。

 

さて、練習している「動物の演劇組曲」は、自分で作曲した曲なのだが、12年前の曲だと本当に、どういうつもりで作曲したのかが、最初は見当もつかず、常に予想外の音が出てくるから、弾きにくくて仕方がない。本人がこう言うのだが、12年前の自分はほとんど他人だ。何度か練習していると、だんだん、法則性というか、この作曲家の癖とか流れが読めるようになる。それがつかめてくると、弾きやすくなる。12年前の自分と今の自分では、この癖とか指向性が意外と違うみたいで、今の自分だったら、こうは書かないなぁ、という流ればかりで、困惑の連続だ。

 

で、練習の合間に、鳥取西高校の合唱部が歌ってくれるための「今こそ渡れ渡り鳥」の作曲をして、だいたい書き終える。明日は、鳥取市少年少女合唱団のための曲を書こう。

 

その後は、鍼灸に行って体を整えてもらい、夜は、コンサート「プンドポの夕べ」に出演。鍵盤ハーモニカ、ガムランを演奏。個人的には、最近亡くなったジョグジャのガムランの先生パニョトへの追悼演奏の気持ちが強く、演奏中には何度もパニョトのことを思い出しながら演奏した。最後には、何かガムランでも鍵盤ハーモニカでもない音色を出したくなって、自分の右腕に口をつけて、よく子どもがやるオナラの音を出してみた。意外にいろいろな音が出るので、楽しんだ。パニョトのご冥福をお祈りします。