野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

今こそ渡れ渡り鳥

動物との音楽は、いろいろ試みたが、2005年によこはま動物園ズーラシアにて滞在制作した映像「ズーラシアの音楽」は、印象深い場面がたくさんある。インドライオンが、とても穏やかに演奏を聴いてくれたこと。オオアリクイが、ぼくの鍵ハモをあの長い口で演奏し、よだれでベタベタにしてくれたこと。シシオザルとの貝殻での静かな交流などなど。それらのセッションを舞台作品にしたのが、山下残の「動物の演劇」で、それをコンサート用の楽曲にしたのが、アコーディオンとピアノのデュオ「動物の演劇組曲」。なかなか指に馴染めなかった「オオアリクイ」や「シシオザル」が、だんだん弾けるようになってきて、本日も練習。2007年に作曲の譜面なので、全て手書きの自筆譜(2008年頃から、楽譜浄書ソフトを使って楽譜を書くようになってしまった)。これらの曲は、8月25日に原宿のカーサ・モーツァルトでのWINDS CAFEで演奏する。

 

練習の後、ゲキジョウ実験!!!「銀河鉄道の夜→」(11月2日、3日@とりぎん文化会館)で、鳥取西高校合唱部が演奏する合唱曲「今こそ渡れ渡り鳥」曲の譜面を書き始める。これは、西高校合唱部のメンバーと考えたメロディーに加えて、先週土曜日に倉吉で行なったワークショップの内容も反映させて作曲しようと思っているので、ワークショップの動画を見て、参加者の人々の演奏を書き起こし、およそ合唱曲とは程遠い打楽器の演奏を合唱に書き直していく。

 

夜は、中学生のユーちゃんと、近所の幼児と一緒に、楽器で遊ぶ集い。5歳の女の子が、ピアノで何度も「きらきら星」や「カエルのうた」を弾いて聞かせてくれる。前回来た時には、音階とかの概念がなかったのに、今日は5本の指を使って弾いている。打楽器や鍵盤ハーモニカやピアノなどで、延々と即興セッションをする。家族の音楽。

 

家に戻って、合唱曲の編曲作業を続ける。宮沢賢治の世界は、味わい深い。読み飛ばしそうなちょっとしたフレーズを取り出して、歌にしたり、ダンスにしたり、色々な味わい方ができる。