野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

邦夫さんの呼び上げは最高だ

小川和代さんのための新曲を作曲する。テーマは、相撲。これまで、様々な音楽に興味を持ち、様々な音楽文化から影響を受けて、作曲をしてきた。そんな中で、本腰を入れて研究したいと心から思うのが、相撲だ。2008年、JACHSA(日本相撲聞芸術作曲家協議会)を結成以来、その思いは強まる。しかし、相撲の魅力をどうやって音楽にしていけばいいのか、なかなかとっかかりがなかった。

 

今から5年前、一ノ矢さん(高砂部屋マネージャー)に出会ったのが、大きな転機だった。相撲甚句を教わること、四股やテッポウなどの身体技法を教わること、突然扉が開いた。

 

相撲に関する文献も、何十冊と読んだ。新田一郎著「相撲の歴史」、山田知子著「相撲の民俗史」などは、特に愛読書となり、何度も読み返した。野村誠という作曲家は、子どもとのワークショップ、しょうぎ作曲、など、人々と交流することで、自分独自の作曲の方法を編み出してきた。しかし、そうして編み出した自分の音楽を超えていきたい、新たな作曲の地平に辿り着きたい、という創造への衝動がある。そして、そのために、相撲を徹底して学んで、新しい音楽の地平を切り開こうと思った。

 

だから、作曲するために、いっぱい学びたい。今日は、とにかく、邦夫さん(高砂部屋呼出し)の力士を呼び上げる呼び上げの動画を、数百回くらい聴いた。聴いても聴いても、発見がある。新曲のためのスケッチもしているけれども、それよりも邦夫さんの声に耳を傾け、呼び上げのエッセンスを体得したい。自分でも、何度も邦夫さんの声を真似して、呼び上げてみる。

 

ということで、新曲は呼び上げをテーマに作曲します!

 

jacsha.com